- 発行日 :
- 自治体名 : 岩手県一関市
- 広報紙名 : 広報いちのせき「i-Style」 令和7年7月号
大船渡線は7月26日に開業100周年を迎えます。
市民に愛され続ける「山汽車」の歩みをたどります。
「ドラゴンレール」の愛称で親しまれるJR大船渡線は、岩手を縦断する東北本線の開業から35年後の大正14年に、内陸部と沿岸部を結ぶ横断ルートとして一ノ関―摺沢間で開業し、本年で100周年を迎えます。その後、東に延伸し、昭和10年に盛駅までの全線が開通。現在は一ノ関―気仙沼間を鉄路で、気仙沼―盛間をBRT(バス高速輸送システム)でつないでいます。
ドラゴンレールという愛称は、曲がりくねった線路の形が竜の姿に似ていることから平成4年に公募により決まりました。東西のルートの一部が北に張り出す形状は、大船渡線を語る上で欠かせない個性の一つ。多くの駅を経由していることで、沿線住民の生活の足、観光客の移動手段としてたくさんの人に利用され、地域の活性化を後押ししてきました。かつては貨物輸送も盛んで、石灰石や木材、タバコ、海産物などが運ばれ、地域の産業発展に大きく貢献しました。
大船渡線は現在も、生徒・学生の通学をはじめ、通勤や観光になくてはならない存在です。「自分たちが使う駅に感謝を」と、大東高校の生徒たちは年に数回、列車通学生が使う摺沢駅の清掃活動を続けています。階段通路をデッキブラシで磨いたりプラットホームの草取りをしたりと、誰もが気持ちよく駅を利用してほしいという気持ちを込めて活動し、地域の交通インフラを陰ながら支えています。
ドキドキ、ソワソワした初登校、家族で行った海水浴、幼いこどもの手を引いて乗ったあの日…。多くの人の記憶の中にそれぞれの「大船渡線」があるのではないでしょうか。1世紀にわたり多くの人生を運び続ける大船渡線は、きょうも人々の愛着と誇りを乗せて走り続けます。
●大船渡線の歩み
大正14年(1925):
開業(一ノ関駅―摺沢駅間)
真滝駅・陸中門崎駅・陸中松川駅・摺沢駅を新設
昭和2年(1927):
延伸開業(摺沢駅―千厩駅間)
千厩駅を新設
昭和3年(1928):
延伸開業(千厩駅―折壁駅間)
小梨駅・矢越駅・折壁駅を新設
昭和4年(1929):
延伸開業(折壁駅―気仙沼駅間)
新月駅・気仙沼駅を新設
昭和37年(1962):柴宿駅を新設
昭和41年(1966):岩ノ下駅を新設
昭和43年(1968):大船渡線での蒸気機関車運行廃止
昭和61年(1986):猊鼻渓駅を新設
平成23年(2011):
東日本大震災により沿岸部が大きな被害、全線不通(3月)
一ノ関駅―気仙沼駅間運転再開(4月)
平成25年(2013):気仙沼駅―盛駅間がBRTにより運転再開
令和7年(2025):開業100周年(一ノ関駅―摺沢駅間)
●WE LOVE大船渡線!
○応援しています
小学生の頃、夏休みの宿題で詳しく調べたのが鉄道を好きになるきっかけでした。もくもくと煙を上げる蒸気機関車に乗り、千厩から一関に買い物に行ったり気仙沼に海水浴に行ったりしたのをよく覚えています。今では全国に仲間がいるほどの鉄道ファンで、関連グッズもたくさん所有しています。私は鉄道を通じ、人付き合いや交流の素晴らしさを学びました。地元を走る大船渡線の利用者が少なくなっているのはとても寂しいこと。多くの人に関心を持ってもらえるようなPRを続け、実際に乗車してもらうことが大事だと思います。
○お世話になっています
毎日通学のために大船渡線を使っているので、私にとってはなくてはならないもの。車内ではスマホをいじったり睡眠を取ったり、友人と楽しく過ごしたり。その全てが高校生活の大切な一部分です。
※詳しくは本紙をご覧ください。
●市の観光PR動画で魅力を発信!
市は大船渡線の開業100周年に合わせて、四季それぞれの大船渡線沿線の風景を盛り込んだ観光PR動画を作成しました。市公式観光サイト「いち旅!」ムービー集、市公式ユーチューブチャンネルなどで公開しています。下記二次元コードから視聴できます。
※二次元コードは本紙参照