くらし 横手市議会6月定例会市長所信説明

力強く凛々しい横手市であり続けられるように
横手市議会6月定例会が、6月2日から20日までの日程で開催されました。その開会にあたり、髙橋市長が行った所信説明の中から、市民の皆さんの生活に関わりの深い内容を抜粋してお知らせします。
※市報掲載用に一部表現を変更しています

■はじめに
『道の駅十文字』が、災害時に大きな役割を担う『防災道の駅』に県内2カ所目として国土交通省より選定されました。道路利用者や地域住民の一時避難場所のほか、救援活動の拠点や物資輸送の中継基地など広域防災の拠点として、市民の皆様の安全安心につながるよう取り組みを進めていきます。
さて、日本全体のインバウンドの状況は、大阪・関西万博の開幕により訪日客がさらに増加していくものと捉えています。県とJR東日本が展開した冬の大型観光キャンペーンの実績では、横手・増田エリアの入り込み客数が昨年比67・4%増の約44万人となり、当市の増加率が県内で最も大きい結果となりました。4月以降も、横手城さくらパーティーなど市内各所で行われたイベントのほか、市制施行20周年記念を冠(かん)したイベントとして、秋田スカイフェスタや芝桜フェスタが開催され、多くの皆様に当市を訪れていただきました。インバウンドや県内への人の流れを追い風に、各地域のイベントのほかにも、市制施行20周年記念事業によって、さらに人を呼び込めるような取り組みを続けていきます。
基幹産業である農業では、令和5年市町村別農業算出額において、当市が令和4年比5・4%増の288億8千万円となり、10年連続で県内1位となりました。これまで取り組んできた複合型農業の推進に加え、コールドチェーンの構築などによる高付加価値農業の実現が実を結んだものと捉えております。
また、令和7年度市政懇談会を市内10会場で開催し、過去最多となる434人の皆様にご参加いただきました。市民の皆様からは、少子化対策や企業誘致、Uターンに対する支援などに関するご意見や、高齢化が進む中での公共交通に関するご意見などもいただきました。頂いた貴重なご意見を取り入れ、目の前に山積する課題を一つ一つ解決することはもちろん、10年先、20年先も存在感を放ち続けながら力強く凛々しい横手市であり続けられるよう取り組んでいきます。

■新たな施策などへの取り組み
▽市制施行20周年記念事業
本年10月1日に市制施行20周年を迎え、メインイベントを9月6日、7日に横手駅周辺エリアにおいて、盛大に開催する予定です。イベント名は『全力!よこて祭り』、サブテーマを『伝統×革新(でんとうとかくしん)つなぐ横手の未来希望をカタチに』とし、先人が守り育ててきた伝統と、これからの横手市を担う若者や子どもたちの新たな発想がコラボレーションすることで、未来に希望を感じられるようなイベントを目指します。市民がオールキャストとなり、横手のさまざまな魅力や若者の発想を表現することで、誰もが楽しめる企画を進めています。
なお、10月4日には、市制施行20周年記念式典を挙行します。20年の歩みを映像で振り返りながら、これまでの軌跡を再確認するとともに節目を祝い、今後のさらなる市政発展に向けた機運の醸成を図ります。

▽副拠点エリア構想
旧十文字第一小学校周辺いわゆる副拠点エリアの利活用については、私は常々、子どもを含めた多世代が集える場として、子どもたちが天候や季節に関係なく遊べる施設が良いと考えていました。副拠点エリアは、横手市南部の交通の要衝(ようしょう)としての地の利を生かし、東北各地からの交流人口の拡大も視野に入れ、新たな人の流れを生むエリアとして、多世代が集える拠点を目指しています。名称は、『シン・十文字拠点』エリア※とします。
※『シン・十文字拠点』エリア単なる横手市の二番目の拠点という位置づけではなく、横手市の新しい軸となり、進化し続けるまちの拠点として、また、多様性と賑わいに溢れ、子どもたちが成長していく場所を目指すエリア。『シン』は、新しい『新』、軸となる『芯』、進化する『進』、賑わいの『賑』、成長、伸びていく『伸』の思いを込めたもの

▽伝統的産業緊急支援事業補助金
昨年夏ごろから高騰した米の価格は、主食用米のみならず、酒造業者や味噌・麹の製造業者の原材料米の仕入れにも大きな影響を与えています。歴史的、文化的にも地域とのつながりが深いこれらの事業者の経営支援を目的に、『伝統的産業緊急支援事業補助金』を創設することとしました。対象となる事業者の安定した経営環境の確保を図り、当市の発酵文化が後世へと継承されるよう努めます。

■令和7年度事業などの進捗状況
▽第3次横手市総合計画基本構想
当市の最上位計画で、令和8年度から10年間を計画期間とする『第3次横手市総合計画』のまちづくりの方向性について定める基本構想を策定しました。計画の将来像については『時代を受け継ぎ磨き上げ凛々しく羽ばたくまちよこて』としました。引き続き、前期基本計画や第3期総合戦略、各種個別計画の策定を予定しており、新たな将来像の実現に向けて取り組みを進めていきます。

▽国民健康保険
令和6年度の歳出の医療費は、一人あたりの保険給付費が34万6千円で、前年度と比較して2・3%の減少となりました。一方歳入では、国保税収納率について、令和6年度現年分が4月末時点で95・9%、滞納繰越分が23・8%でした。国・県の交付金の活用などにより財源を確保できる見込みであることから、今年度も国保税率を据え置くこととしました。

[今議会に提案された主な一般会計補正予算]
一般会計補正額:3億2,590万円
主な補正予算の内容
・定額減税調整給付金給付事業
・伝統的産業緊急支援事業
・エネルギー価格高騰対策支援事業
補正後の予算総額:594億7,730万円
※追加補正予算を含みます

▽横手市立体育館整備事業
横手市立体育館の整備では、アリーナの屋根鉄骨を組むなど、新体育館の全体像が見えるようになりました。運営面では、指定管理者制度の導入に向け、募集方法などの検討を進めています。また、市ホームページでは施設が出来上がる過程をご覧いただけますので、体育館の完成に期待を膨らませながら、令和8年度のオープンをお待ちください。

▽横手駅周辺整備
横手駅東口第二地区市街地再開発事業では、4月から本格的に立体駐車場や賃貸住宅・分譲住宅の新築工事に着手し、令和9年1月の完成に向け、順調に工事が進んでいると伺っています。これまで横手駅の東側の整備を主に進めてきましたが、横手駅西側におけるにぎわい創出策についても検討を重ね、横手駅を中心とした中心市街地全体の活性化が図られるよう計画していきます。

▽2025大阪・関西万博への出展
大阪・関西万博で当市が7月28日から31日まで出展する『LOCAL JAPAN(ローカルジャパン)展』では、市内の中学生12人が『中学生かまくらキャスト』としてブース内の案内などで活動する予定です。運営側として万博に携わることで、生徒たちが大きな達成感、満足感を得られることが期待されます。また、万博への出展は当市を世界に発信する絶好の機会となりますので、横手市の認知度を高められるようなインパクトのあるブース作りと、多くのお客様に満足いただく運営ができるよう取り組んでいきます。

▽横手市オンデマンド空港送迎サービス『よこてWARP(ワープ)』
本年3月末日までの実績では利用者数2千116人、稼働日に対する稼働率は98・4%と非常に高く、1運行あたりの乗車率も、月を重ねるごとに上昇しています。なお、市の財政負担の軽減などを目的に、8月1日からの利用料金をこれまでの300円から500円に改定することとしました。今後も情報発信による周知と利用者のさらなる満足度の向上に取り組みながら、実証事業終了後の方向性を検討していきます。

▽国道13号横手北道路の新規事業化
国土交通省より『一般国道13号横手北道路』の令和7年度新規事業化が正式に発表されました。横手市八幡地区から美郷町金沢地区までの延長5・9キロメートルの区間において、バイパスを整備し道路を拡幅することで、特に課題となっていた積雪による慢性的な交通渋滞の改善や緩和に期待しています。

▽クマなどの有害鳥獣被害対策
この春は雪解けが早く、市内でも3月からクマの目撃が相次いで報告されています。横手かまくらFMや安全・安心メールなどで、市民へのきめ細かな情報提供と注意喚起を行っていきます。また、クマが出没した場合の捕獲活動について、警察や猟友会、県など関係機関とのさらなる連携により体制を強化しながら、クマなどの有害鳥獣による被害防止に引き続き努めていきます。

▽物価高騰対応
食料品やガソリン価格など、物価高騰が市民の生活を圧迫していることから、令和7年4月1日時点で当市に住所を有し、令和6年度の住民税非課税世帯臨時特別給付金の対象とならなかった市民の皆様に対し、7月1日から利用が可能な『よこて市民応援商品券』を一人当たり3千円分お配りします。6月末までには対象となる方へ世帯単位で発送しております。

令和7年6月定例会の所信説明は、市ホームページに全文を掲載しています。
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