- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県大仙市
- 広報紙名 : 広報だいせん「だいせん日和」 2025年3月号
令和5年度、秋田県の自殺者数は前年より33人減少しました。一方、大仙市の自殺者数は増減を繰り返し、特に男性の自殺者数が高止まりしています(左のグラフ)。自殺の多くはさまざまな社会的要因が複雑に絡み合っており、それらの要因を解消することが大切です。
気付き、寄り添い、支え合うことが、お互いの〝こころ〞を守ることへの第一歩です。誰も自殺に追い込まれることのないよう、相手も、そして自分自身も大切にすることから始めてみませんか。
■大仙市の自殺者数と自殺率
※人口10万人当たりの自殺者数
参考:厚労省「人口動態統計」
■支える〝わ〟 相手に寄り添うためのQ and A
◇Question 1 困っている人にはどうやって声を掛けたらいいの?
A:眠れない、食欲がない、口数が少なくなったなど、いつもと違う様子に気付くことが声掛けへの第一歩です。「眠れてる?」や「つらそうだけど大丈夫?」など、勇気を出して声を掛けてみましょう。
相手が話したくない雰囲気の場合は、相手の心の準備が整っていない可能性もあるため、無理に聴き出すことはしません。話してくれたらその声に耳を傾け、相手の感情を否定せずに聴きます。解決できない問題であれば、専門家や相談窓口につなぎましょう。
◇Question 2 相手を励ますことはよくないこと?
A:落ち込んでいる人を元気付けようとして「そのうちどうにかなる」「頑張れば乗り越えられる」など、鼓舞する言葉を使いがちですが、病気などで頑張りたくても頑張れない状況の人を不用意に励ますことで、相手をさらに追い込んでしまうことがあります。
苦しい状況の人に掛ける言葉を研究したウェイン州立大学(アメリカ合衆国)のグループによると、効果的な言葉よりも、寄り添ってくれる人の存在が大切という研究結果を発表しています。そばにいて共感的に話を聴いてあげましょう。
◇Question 3 相談を受けていると自分の気持ちも落ち込んでしまいそうになる。そんなときは?
A:つらい状況にいる人の苦しい気持ちに共感することで、気付かないうちに自分の心が疲れてしまう状態を「共感疲労」といいます。自分の感情をコントロールしながら聴いているため、無意識のうちにストレスを感じている可能性があります。相手と自分を切り離して考えることや自分自身の休息の時間を確保することが大切です。自分自身が健康でこそ、相手に寄り添うことができます。
◇Question 4 自殺について語ることは自殺を助長する?
A:自殺を考えている人の多くは、誰に悩みを話せばいいかを悩んでいますが、中には、自ら相談し、心のSOSのサインを発信している人もいます。
話題をそらしたり叱ったりせず、自殺について語り合うことは、その人に自殺以外の選択肢があることに気付かせることや決心を考え直すことにつながり、結果として自殺を防ぐことにつながります。
■自分の〝こころ〟に気付く〝こころ〟の健康チェック(K6質問票日本語版)
周囲の人の悩みに気付き、支援をすることも大切ですが、自分自身の心の状態に気付き、悩みや疲れに対して早めに対処することも大切です。
心の状態は目では見えませんが、次のようなチェック表を用いることで、自分自身の心の状態やストレス度に気付き、振り返ることができます。
◇K6質問票日本語版
過去30日間の間に、どれくらいの頻度で次のことがありましたか?当てはまるところに○を付け、合計点数を計算してみましょう。
引用:大野裕也「一般人口中の精神疾患の簡便なスクリーニングに関する研究」平成14年度厚生労働省科学特別研究事業
合計点数が9点以上の方は、強いストレスを感じているかもしれません。うつ病や不安障がいなどの可能性もありますので、医師などの専門家に悩みや不安を相談することをお勧めします。
※点数に関わらず、心の調子が悪いときは相談しましょう。
■ストレスは早めの対処が大切です
ストレスといっても全てが有害なわけではなく、適度なストレスが心を引き締めて、仕事や勉強の能率を上げる効果もあります。しかし、ストレスが大きかったり長く続いたりすると、心だけでなく体の調子も悪くなってくることがあります。
ストレス緩和のために、誰かに話す、気分転換するなど自分なりの対処方法を見つけ、うまく付き合っていくことが大切です。もし、「眠れない日が続き、何もする気になれない」「すぐに疲れてしまう」というときは、ひとりで頑張ろうとせず、早めに医師などの専門家や下の「こころの健康に関する相談窓口」に相談しましょう。
誰も自殺に追い込まれることのないよう、自分の心の状態を理解しましょう。
■つながる〝わ〟 自分と相手の〝こころ〟を守る「こころの健康に関する相談窓口」
◇こころとからだの健康相談
健康増進センター(健康福祉会館内/大曲)【電話】0187-62-9301
西部(西仙北庁舎内/神岡・西仙北・協和・南外)【電話】0187-75-0476
東部(中仙庁舎内/中仙・仙北・太田)【電話】0187-56-7211
◇こころの健康相談(臨床心理士・公認心理師によるカウンセリング)
ほっとスペース(予約制)【電話】0187-62-9304
◇メール相談も受け付けています
対面での相談が苦手な方のために、「こころのメール相談」を開設しています。
下の2次元コードを読み取るか、「大仙市こころのメール相談」で検索して相談してください。
※二次元コードは本紙またはPDF版をご覧下さい。