子育て 特集おいしく食べて元気いっぱい! 体と心を育む学校給食(1)
- 1/28
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県白河市
- 広報紙名 : 広報しらかわ 令和7年7月号
■学校給食の歴史と役割
学校給食は明治22年、山形県鶴岡(つるおか)町(現・鶴岡市)の私立小学校で昼食を提供したことが始まりとされています。その後、関東大震災を機に、困窮している児童への食事提供が増え、次第に全国に広がりました。さらに戦後の深刻な食料不足の中、昭和29年に「学校給食法」が施行され、実施体制が法的に整ったことで全国的に普及しました。
「学校給食法」には「適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること」が目標として定められており、栄養バランスを考えた給食の提供が求められています。
また、学校給食は、学校での食育を推進するうえで、食に関する「生きた教材」として重要な役割を担っています。
■本市の学校給食
市内には給食施設が11施設あります。学校内に調理場があり、児童・生徒に給食を提供する「自校給食校」9校と、給食の調理を一括で行い、各学校に配送する「学校給食センター」2か所です。市学校給食センターでは9校分、大信学校給食センターでは2校1園分の給食を調理しています。
各施設とも「安全安心でおいしい給食」を提供するため、衛生管理の徹底に加え、旬の食材の使用や行事食の実施など多彩な献立作成に努めています。市では、食育推進の一環として、6月の食育月間と1月の全国学校給食週間に合わせ「おいしく減塩!市内統一献立」を実施しています。
また、学校給食では、地場産物の米や玉ねぎ、にんじん、ブロッコリーなどの野菜、季節の果物などを使用し、地産地消にも取り組んでいます。
■学校給食ができるまで
学校給食がこどもたちに届けられるまでには、さまざまな工程があり、多くの人が関わっています。
◆市学校給食センター→白三小の例
▽納品
届いた食材が発注どおりか、品質に問題がないかなどを確認します。
▽下処理
野菜は丁寧に3回洗い、食材に虫などの異物が入っていないか確認します。
▽調理
大きな回転釜やオーブン、フライヤーなどの調理機器を使って調理します。途中で何度も温度や塩分の測定をします。
▽配缶
出来上がった給食を分量を量りながら、クラスごとの食缶に分けます。
▽配送
学校ごとに食缶を納めたコンテナを配送車に積み込み、各学校に届けます。
▽受け取り
学校に届いた給食を受け取り、給食の時間まで配膳室で保管します。
▽検食
給食に異常がないか、こどもたちが食べる前に校長先生が検食します。
▽配膳
給食当番のこどもたちが給食を配膳します。
「おいしい給食 いただきます!」
■学校給食に込める想い
◆市学校給食センター栄養士
川音 夏琳(かわおと かりん)さん
角田 朱実(つのだ あけみ)さん
▽献立はねらいを持って
献立は、こどもたちが楽しく給食を食べられるように工夫しています。味付けや見た目を考慮し、3月のひなまつり献立や、5月のこどもの日献立といった行事食の時には、市内のお菓子屋さんに協力していただき、本格的な和菓子を提供しています。また、旬の食材や地元のおいしい郷土料理を通して食文化に親しんでもらうなど、献立ごとにねらいを持って考えるよう心がけています。
▽いつも細心の注意を
食材を選ぶところからこどもたちに給食が届くまでの間、どの場面にも異物の混入や食中毒、食物アレルギーの事故につながることはないか細心の注意を払って調理・運搬をしています。
▽こどもたちの声が励みに
食育の授業やバイキング給食、テーブルマナー給食の時や、給食センターにこどもたちが見学に来た時に「おいしかった」「苦手だったものが食べられるようになった」などと言ってもらえると、この仕事をしていてよかったと、うれしく思います。
◆市学校給食センター調理員の皆さん
▽安全安心な給食のために
安全で安心な給食を提供するために、特に異物混入がないように心がけています。野菜は3回洗浄し、目で確認してチェックしています。また、調理器具の点検にも注意を払っています。
さらに、食品を安全に提供するために、温度管理や確認を徹底しているほか、スタッフの体調管理にも気を配っています。
これらの作業を調理員でお互いにチェックし合いながら、安心して食べられる給食の提供を心がけています。
▽「おいしい」がやりがいに
市学校給食センターでは、1日に約2450食の給食を調理しています。こどもたちの声を直接聞く機会はあまりありませんが、こどもたちからの手紙や給食日誌、給食を運んでくれる配送員さんを通じて「おいしかった!」という声を届けてもらっています。
私たちが作った給食をたくさんのこどもたちが食べて「おいしい」と言ってくれることにやりがいを感じています。
■学校給食おすすめレシピ
◆鶏肉のカレー揚げ
カレー風味でごはんがすすみます!から揚げの味変におすすめのメニューです。
▽材料(4人分)
・鶏もも肉40g…4切れ
☆ウスターソース…小さじ2/3
☆白ワイン…小さじ1
☆塩…ひとつまみ
☆カレー粉…小さじ1/2
・片栗粉…適量
・揚げ油…適量
※給食の主菜として小学生に提供する分量です。
▽作り方
(1) ボウルに☆の調味料をよく混ぜ合わせておきます。
(2) (1)に鶏もも肉を入れてもみ込み、冷蔵庫で30分から1時間くらい漬け込みます。
(3) (2)の鶏もも肉に片栗粉をまぶし、170℃から180℃の油で5・6分揚げて完成です。
ほかにも、おすすめレシピをホームページに掲載しています。栄養バランスのとれた学校給食のメニューを、ご家庭で作ってみませんか。
問合せ:健康給食推進室
【電話】23-1266
※「角田」の「角」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。