- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県本宮市
- 広報紙名 : 広報もとみや 令和7年1月号
市長:後継者不足に関しては、ある程度稼げる、生活できると分かれば「私もやりたい」と思うものだと思います。その形をどうやって作っていくか、これからも情報収集に努め、農業委員会の方々とも意見交換をしていきたいと思っています。若手農業団の頑張りによって認知度も向上しています。一生懸命な姿から生まれるものがあると思うので、若い世代にも期待しています。
遠藤:もう一つ、遊休農地が山林化している問題について、これに投資をしても長続きはしないので、今現状の農地から遊休農地を出さない仕組みづくり、地域との話し合いを進めていきたいと思っています。
市長:それについては同感で、現在耕作している農地をどう守るか、これにしっかり取り組みます。本宮も少しずつ大型農業化してきていて、耕作者を受け入れていただける方を増やしていくことで解決できる問題があると思います。また、白沢地区などで建設業の方が農業のお手伝いをしてくれています。こちらからも要請をして新しい分野に入ってきていただく、そういった必要はあると思います。
商工業でも大変な1年で、賃金を上げるように言われてもそれをどうやって上げていくか、価格に転嫁していけるか、難しい問題が今もまだ先が見えない状況にあります。その中で今までどおりで良いのか、違った方向から取り組む必要があるのか、どのようにお考えですか。
渡辺:取り組みの一つとして、新しい取引が生まれる異業種交流の場を市や商工会が形成していければ良いと思います。農業とも既に連携して浅草寺の物産展など取り組んでいますが、さらにコラボレーションして特産品や販路など新しい付加価値を生み出していければ良いと思っています。
市長:おっしゃるとおりで今まで農業と商工業で意見交換といった話はありませんでした。面白いきっかけが見つかるのではないかと思います。今年は一度、商工会と農業委員会、推進委員の皆さんと集まってみてはどうでしょうか。市も商工と農政は同じ産業部ですので、話をしてみたいと思います。
それから農業だけでなく商業でも後継者不足の課題はあると思います。商工会長としてはいかがでしょうか。
渡辺:やはり若者や女性が県外に出て行ってしまう問題があります。そういった方が戻ってきやすい環境、U・I・Jターンの支援や企業紹介の仕組みづくりが必要と考えています。また、企業を売りたい人と買いたい人の公的なマッチングサービスもできてきています。セミナーなどで周知を図りながら事業者に届けていくことが私たちの使命だと感じています。
市長:新規就農者も含めて働く場所や企業はあるのに人が集まらないことが大きな問題だと思います。これについては商工会や農業委員会が何をどう発信していくか、皆さんとお話ししながら考えていきたいと思っています。
農業をやりたいと思って移住する方が少しずつ増えてきました。例えば最初から米を作ると初期投資が高くなってしまいます。では何を作るのが良いのか、そのフォローができる仕組みづくりをしていかなければならないと思っています。
商店街に関しては昨年、市で空き店舗対策に取り組みました。チェーン店も大いに結構ですが、昔ながらの商店が残っていることがまちの色や味であると思っています。どう踏ん張っていただけるか、何を解決すればそれができるのか考えていけば、本宮も「福島のへそのまち」として生きる道は残されていると感じています。
最後に本日の対談を通して、それぞれの想いをお聞かせください。
遠藤:このような場を設けていただきありがとうございます。儲かる農業を目指して、若者を含めて地域の中で話し合いの場を持ちながら取り組んでいきたいと思います。穏やかな一年になることを祈っています。
渡辺:商工会として地域経済発展のために提言活動に力を入れていきたいと思います。「何か一緒にやりませんか」と能動的な態度で臨んでいきたいと思っています。また、商工会の魅力をより多くの企業に実感していただけるよう取り組んでいきます。
市長:国や県の事業に本宮としてスパイスを加えていくことが大切であり、今まで続けてきたことをただ続けていくだけでは何事も良くなりません。商工会、農業委員会の皆様にご指導をいただきながらしっかり取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に市民の皆様にとって今年一年が穏やかで、幸多き一年となることを3人で祈念して、対談を終了させていただきます。ありがとうございました。