- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県楢葉町
- 広報紙名 : 広報ならは 第668号 令和7年9月号
『秋の食欲との付き合い方。』
9月になりました。今月号発行の頃には、日中の陽射しが少しでも和らぎ、秋空に向かっているといいですね。
今回は、「食欲の秋」をテーマに、多くの方の悩みと思われる「食欲」との上手な付き合い方をご紹介します。
◆どうして秋になると食欲が増すの?
秋になると食欲が増すのは、私たちの身体に備わった自然な仕組みだと言われています。その主な理由は…。
1.太陽の光が少なくなる(日照時間が短くなる)から
『幸せホルモン』の異名をもつ神経伝達物質「セロトニン」は不安を和らげて気分を高めたり、心を安定させたりする作用があるといわれています。セロトニンは太陽の光を浴びる時間が減ると分泌量が減少します。
セロトニンには食欲抑制の作用もあるため、分泌量が減ると、「何か食べて心を安定させよう」という作用が働き、ついつい食べ過ぎてしまうのではないかと言われています。
2.身体を温めようとするから
涼しくなってくると、身体は体温を保つためにたくさんのエネルギーを使います。そのため、「もっとエネルギーが必要だ」と感じて、食欲が増すのだと考えられています。
3.旬の美味しいものがたくさんあるから
秋は美味しいものがたくさん収穫できる時期です。
こうした旬の食材は、見た目や香りで食欲をそそるだけではなく、栄養も豊富なので、無意識のうちに私たちは食欲が増して、長く寒い冬を乗り切るための身体づくりをしているのです。
秋に食欲が増すのは、来るべき冬に備えた、自然な身体の変化なのです。
旬の食材を楽しみながら、食べ過ぎには注意して、健やかに秋を過ごしてください。
◆3つの工夫で「食欲の秋」を乗り切りましょう!
「食欲の秋」は私たちの身体に起きる自然な出来事の一つなので、食欲が増すこと自体は悪いことではありません。
ただし、食べ過ぎは身体に良いとは言えません。
そこで、美味しく賢く食べるための3つの工夫をご紹介します。
(1)旬の食材を積極的に取り入れましょう
旬の食材は栄養が豊富です。キノコは食物繊維が豊富で、腸の調子を整えるのに役立ちます。
また、サツマイモは便秘解消や美肌効果にも良いと言われています。
(2)「何を食べるか」よりも「どう食べるか」が大切
食事の量や内容だけではなく、食べ方も意識してみましょう。
・ゆっくりと、よく噛んで食べる…しっかり噛むと満腹感が得られやすくなります。
・食べる順番を工夫する…野菜や汁物を先に食べることで、血糖値の急上昇を抑えられます。
・おやつには旬の果物を…甘いお菓子ではなく、柿や梨といった果物を食べて、ビタミンも補給しましょう。
(3)軽い運動を日課に取り入れましょう
食欲が増すと、ついつい食べ過ぎてしまいます。それならば、食べた分だけ身体を動かすことを意識するのも一つの手です。
朝や夕方の涼しい時間帯のウォーキングは、気分転換にもなりますし、健康維持にも繋がります。
外で身体を動かすのはちょっと…、という方には、YouTube版「おとなの健康教室」がお勧めです。
「9月ってまだ夏じゃない?」と思うかもしれませんが、夏至を過ぎると日が短くなり始めて、9月には秋の真ん中である「仲秋」を迎えます。私たちも自然界の一員として、自然の流れに従って、冬に向けた準備を始めているのです。
上手に「食欲の秋」を過ごして、この時期を健康的に過ごして、心豊かに楽しみましょう。