文化 「明治のナイチンゲール」大関和(おおぜきちか)をたどる

■第3回 企画展「明治のナイチンゲール大関和のふるさと黒羽と医療」開催
本市出身の大関和(1858-1932)をモチーフにしたNHK連続テレビ小説「風、薫る」が令和8年(2026)春から放送されるのに先立ち、黒羽芭蕉の館では、企画展「明治のナイチンゲール大関和のふるさと黒羽と医療」を開催します。会期は、令和7年10月8日(水)~令和8年3月1日(日)を予定しています。
企画展は、[1]大関和の生涯と功績、[2]大関和のふるさと黒羽の景観と文化、[3]大関和が子供の頃の黒羽、[4]江戸時代後期黒羽の医療という4つのコーナーで構成し、約80点の資料を展示する予定です。
[1]では、大関和の略年表や生涯・功績を示すパネル、和の肖像写真などを展示する予定です。
[2]の前半では、江戸時代後期に黒羽藩の絵師小泉斐(こいずみあやる)が描いた「黒羽周辺景観図」をはじめとした真景図の数々や黒羽城郭内の絵図、「船橋を隔て黒羽田町の図」、「黒羽河岸近傍見取図」(パネル)、大関和生誕地のあたりの写真パネルなどを展示予定です。後半では、江戸時代の黒羽文化を象徴する黒羽藩11代藩主大関増業(おおぜきますなり)(1782-1845)に関する諸資料を紹介します。増業が教育振興のため、文化10年(1813)5月に「素読所(そどくじょ)」の設置を命じたことを示す記録や、『創垂可継(そうすいかけい)』(全71巻)・『止戈枢要(しかすうよう)』(全353巻)・『乗化亭奇方(じょうかていきほう)』(全70巻)といった増業の主要編著書を展示予定です。
[3]では、和が子供の頃の黒羽藩15代藩主大関増裕(ますひろ)に関わる資料の数々、具体的には官位への叙任(じょにん)を示す文書(もんじょ)や天狗党(てんぐとう)への対応を示す文書、増裕が撮影した写真、増裕の指導により増強された黒羽藩の軍事力を示す記録などを展示する予定です。
[4]では、小泉斐が中国の医薬神「神農(しんのう)」を描いた絵画作品や、幕末維新期の黒羽(大関家や黒羽藩校)に存在していた西洋医学書の数々、江戸時代後期黒羽の医師に関する資料などを展示する予定となっています。
展示をご覧いただき、日本看護界の先駆者大関和が生まれ育った黒羽の景観や文化的風土、江戸時代後期~幕末維新期の黒羽および医療の一端についてご理解いただければ幸いです。

問合せ:黒羽芭蕉の館
【電話】0287‒54‒4151