くらし 〔特集〕想いふくらむフクシゴト(3)

■てんとうむし北本
就労移行支援事業所
住所:北本1-71TKビル2階
【電話】507-6571

自立訓練
住所:北本1-102 2階
【電話】577-7552

〔サービス管理責任者・就労定着支援員 長岩透さん〕
障がいのある利用者さんと企業のマッチングを主に担当。一人ひとりの適性と企業のニーズを見極めながら就職に結びつける。また、事業所内で就職支援講座などを実施。スタッフが無理なく働ける体制づくりも大切にしている。
〔就労移行支援事業所施設長 大川佳美さん〕
利用者さん一人一人の支援計画や3か月、半年ごとの目標設定を行う。声掛けや面談などで話を聞き、温かく利用者さんを見守り支援する。

『「働く」ことを通して、一人ひとりの人生の幸せにつなげたい。』
障がいのある人の企業への就労支援に携わる長岩透さん。異業種から福祉の世界に飛び込み、事業所を立ち上げるまでに至ったのには、ある想いがありました。

~心を病んだ経験から見つけた本当にやりたかったこと~
企業で13年ほど人事をやった後、学習塾を経営していました。それが、福岡にある祖父の会社を残す話が出て、単身赴任に。これまでの人と関わる仕事と全く違うものづくりの会社で、いろいろあって心療内科に通うようになってしまって。死にたいくらい辛い時期でした。退職してこちらに戻ったときに、知り合いが始めた就労移行支援事業所を見学したんです。自分も利用者さんたちと近い経験をして、人に教えることも好きだったので「これがやりたかったことかもしれない」と法人を立ち上げて「てんとうむし北本」を2014年に開所しました。

~自分の考えを押し付けず、一人ひとりを尊重する~
主に、就労支援の出口担当として企業さんと利用者さんをマッチングしたり、面接に同行してフォローしたりしています。就職後も相談に乗って、企業さんに本人の想いを伝えることも。「桃栗3年福祉20年」で、今年やっと10年ですが毎日学ぶことがあります。初めのころは、利用者さんに「こうした方がいいよ」と言うことも多かったんですが、一人ひとり歩んできた道も考え方も違うので、まずは相手の話を聞く。その上で「こういう方法もある。でも、最終的に決めるのは君だよ」と言うように変わりましたね。

~相手の人生を半分背負い働くことで幸せに~
私自身、心を病んでから今の仕事を始めて変わっていったように、彼らが就職して、仕事で評価されて自己肯定感が高まれば、寛解(かんかい)するかもしれない。収入を得て、家族を持ったりして…「働く」って幸せな人生を築く一つの手段なんですね。彼らの人生を半分背負うつもりで、時にはきついことも言います。そうして就職した人が5年後、6年後に「あの時、長岩さんに言ってもらったおかげで今があります」と言ってくれた時が一番嬉しいですね。

~「フクシゴト」に興味がある人へ~
大切なのは「福祉心」。ちょっとおせっかいで、小さなことにたくさん気付くこと。また、自分がどんな支援に関わりたいかを明確にして、いろんな事業所を見て決めると良いですね。

◇利用者さんの声
資格取得に向けて勉強中です。3か月や半年ごとに目標を設定して取り組むのが面白いです。まじめに取り組んでいる人が多いのでいい刺激になりますし、職員さんはいつも親身になってくれてなんでも話せる環境を整えてくれています。