- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県北本市
- 広報紙名 : 広報きたもと 令和7年4月号
■生活相談支援センターしゃろーむ
住所:中丸9丁目259
【電話】598-7099
〔主任相談支援専門員 中川基子さん〕
相談支援として知的障がいのある人の就学・就労や身体障がいのある人の退院、福祉用具やサービスの調整、障がいのあるお子さんについての子育て相談など幅広く対応。施設長として他の事業所との情報交換や他の事業所との連携も行う。
〔保育士 新井亜希子さん〕
週2日のパートタイム勤務で、療育相談や医療的ケア児のお母さんの訪問、利用者さんの希望に沿った施設との調整、医療的ケア児の子育てサロン「にこちゃんルーム」の準備・開催等に携わる。
『一緒に笑って、一緒に悲しむ。そんな関係になれたら嬉しい。』
『未経験でも「自分にもできる」という可能性が見つかるはず。』
通常業務の傍ら、医療的ケア児(※)の子育てサロン「にこちゃんルーム」を開催する中川基子さん、新井亜希子さん。施設の職員と利用者という異なる立場だった2人が一緒に働くことになったのも、「にこちゃんルーム」がきっかけでした。
※医療的ケア児とは…医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。
~『普通の暮らし』は100人いれば100通り~
中川:学生時代に、精神科病棟の畑仕事を障がいのある人と一緒にするという経験をしました。当時は施設を『終(つい)の棲家』とする支援が一般的な中で、障がいのある人と一緒に働き、暮らすことに魅力を感じたんです。「ともに暮らす」を理念に掲げる法人に就職し、今年で23年目になります。
初めは知的障がいのある人の暮らしを支援していましたが、相談支援業務に携わって、「普通の暮らし」って100人いれば100通りあるんだなと気付きました。それから、目の前の相手を「想う」ことをより大事にしています。
~医療的ケア児の子育てを経験 ママたちの助けになりたい~
新井:保育園や幼稚園などで働いてきたんですが、出産した次男が24時間人工呼吸器が必要な状態で、保育士の仕事はできないなと専業主婦になりました。家でずっと次男を介護する生活の中で、「しゃろーむ」の相談員さんにはたくさん話を聞いてもらい、良くしていただきましたね。次男が亡くなった2年後、中川さんに「医療的ケア児の子育てサロンを一緒にやらないか」と誘われて。「自分の経験を生かして手助けしたい」と、保育とは全く違う福祉の世界に飛び込んだんです。
中川:支援している医療的ケア児のお母さんが「私たちが行けるような子育てサロンがほしい」と自身の希望を初めて言ってくれたのがきっかけで。新井さんが想いのある人だと知っていたので、声をかけて就職してもらいました。
新井:最初は本当に手探りで、毎回プログラムを考えてましたね。お子さんの容態もあるので、申込不要で当日自由に来られる形にしています。
中川:看護師さんや保育士さんたちの協力も増えて、お母さんたちも安心しておしゃべりできるようになってます。お母さんたちも、新しく来た人に声をかけたり、ムードメーカーになったりして、私も、お子さんたちとだんだんと触れ合えるようになりました。
~一緒に笑い、悲しむ。それが「ともに暮らす」ということ~
新井:この仕事はすごく楽しい。母親だけじゃない、違う役割で『世の中の役に立っている』とやりがいを感じて、自分も元気になるんです。
中川:私の原点は『障がいのある人もない人もともに暮らす』こと。「居間で一緒にお茶飲めるぐらいの関係になれたな」と思えた時にやりがいを感じます。何か特別なことができるわけじゃないんですけど、一緒になって笑ったり悲しんだりできるような関係になれたときが一番嬉しいですね。
~「フクシゴト」に興味がある人へ~
新井:未経験でも「自分にもできる」という可能性が見つかるかもしれません。
中川:待ってます!一緒に働きましょう!
◆市内唯一の医療的ケア児の子育てサロン にこちゃんルーム
日時:毎月第3水曜日10:00~12:00〔4月は16日開催!〕
場所:cafe de ミリュー(中丸9-257)
内容:医療的ケア児のママandパパの子育てサロン。保育所の子どもたちも一緒になって、歌や手遊びを楽しみます。保育士や看護師がサポートしますので、保護者さん同士でおしゃべりや情報交換をしていただけます。事前予約不要。オンライン開催も併せて行います。
◇参加する皆さんの声
ぜひ続けてください!
同じ境遇の保護者で交流できる唯一の場です。私たちのために企画を考えて準備や発信してくださって本当にありがたいです。うちの子が他のお子さんたちと交流する様子や、職員さんがケアしてくださる様子も見られるのが嬉しいです。ぜひこのまま続けてください!
ここにつながれていないママ・パパもまだまだ居ると思います。もっと多くの人たちに知ってほしいです。
問合せ:生活相談支援センターしゃろーむ 中川
【電話】598-7099