- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和7年8月号
富士見市長 星野光弘
昭和100年という節目の年、そして戦後80年を迎える今、改めて戦争の犠牲になられた全ての方々に哀悼の誠を捧げ、心からご冥福をお祈り申し上げます。
80年前のあの日、私たちの国は未曽有の戦禍を経て、平和という新たな道を歩み始めました。そして、今日の平和が、先人たちのたゆまぬ努力によって築かれてきたことを、今一度心に刻み込むとともに、多くの尊い命が奪われたその歴史を、私たちは決して忘れてはなりません。
昭和という時代は、未曽有の戦争と復興、そして高度経済成長を経て、今日の日本社会の礎を築きました。本市においても、市民一人ひとりの努力と地域社会全体の協力により、戦後の混乱と困難を乗り越え、今日の平和と発展を築き上げてきました。そして、今では多くの世代が共に支え合い、安心して暮らせるまちとして成長を遂げてまいりました。
今日の世界情勢を見渡せば、今なお戦争や対立が続き、核兵器の脅威も依然として存在しています。今こそ、世界で唯一の被爆国である日本で暮らす私たちが、「平和の心」を決して忘れず、対話と協調の精神に基づき、地域そして世界に向けて、平和な社会の尊さと大切さを強く発信していくことが必要です。
私は非核平和都市宣言自治体の首長として、本年8月9日に長崎県で行われる平和祈念式典に出席を予定しており、戦禍により尊い命を奪われた方々のご冥福と「核兵器のない世界」そして「恒久平和の実現」を祈念してまいります。
本市では、「富士見市非核平和都市宣言」の理念と平和の大切さを広く市民に伝えるため、ピースフェスティバルをはじめとした平和事業を実施しているほか、広島・長崎の原子爆弾投下日と終戦記念日には、1分間の黙とうを呼びかけております。
終戦から長い年月が経過し、戦争の体験を語り継ぐ世代が少なくなってきている現代において、戦争の記憶を風化させず、語り継いでいくことの重要性は増しています。
市民の皆様におかれましては、戦後80年という節目にあたり、改めて平和の尊さを心に刻み、それを次世代へ継承していくことの重要性について深く見つめ直していただきたいと存じます。
■黙とうを捧げましょう
市では、原子爆弾や第2次世界大戦で犠牲になられた方々のご冥福と、核兵器をなくし平和な世界が実現することを願い、次の日時に防災行政無線を通じ、市民の皆さんに1分間の黙とうのご協力をお願いしています。
広島市原子爆弾投下日:8月6日午前8時15分
長崎市原子爆弾投下日:8月9日午前11時2分
終戦記念日:8月15日正午
■富士見市非核平和都市宣言
私たちは何よりも家庭の平和を願い世界の平和を願っています
しかし地球をおおっている核兵器は世界の平和と安全を脅かしています
私たちは広島・長崎の過ちを再び繰り返させてはなりません
私たちは平和憲法を大切にし世界中の人びとと手をつなぎ
核をもつすべての国に「今すぐ核兵器を捨てよ」と訴えます
この市民の声と願いを
非核平和都市 富士見市の宣言とする
1987年7月19日