健康 健康を考える(5)

〜ストレッチング(部位編)〜
〔寄稿〕東京家政大学 客員教授 博士(医学) 清水順市

◆頚部のストレッチング
後頚部は重い頭部を支えるために常に筋が収縮しています。その後頚部の筋(肩甲挙筋・僧帽筋)をストレッチすることにより、脳がすっきりとします。
基本は、片手で頭をゆっくりと斜め下方へ次に左右横へ引くようします。肩こりの改善になります。

◆体幹部のストレッチング
体幹は脊柱骨と筋によって保たれています。「腰が曲がる」「背中が丸くなる」現象は、骨と筋肉の変化が原因です。
同じ姿勢を続けた後は、ゆっくりと体幹を反るようにします。体幹の外側にある腹横筋を伸ばします(左図)。次に体幹の前から斜めにある内外腹斜筋を伸ばします(右図)。
※左右行ってください。

◆肩甲帯・肩関節のストレッチング
肩甲帯は腕を支え、固定します。肩甲骨周囲と上腕の筋をストレッチすることにより、腕の動きが楽になります。
基本は、両腕を挙げて、肘を持ってゆっくりと左側へ引きます(左図)。次に腕を前方にして水平に左横へゆっくりと引きます(右図)。
※左も同様に行ってください。

◆骨盤帯・股関節のストレッチング
椅子に座ったままでいると股関節の前にある筋や後ろにある筋が縮んだ状態になります。
そこで、骨盤の前にある筋(左図)、後にある筋(右図)を伸ばします。上体の重さをゆっくりと移動しながら行います。

※図は本紙をご確認ください

■ストレッチングのまとめ
ストレッチングは各個人が持っている筋の力や体重移動を利用して行います。強引な力を加えて行うことは禁忌です。通常では痛みは発生しませんが、時には筋が伸張されて痛みを伴うこともあります。その場合は、痛みの発生する手前で動きを止めましょう。強引なストレッチは筋断裂や腱断裂を起こします。