くらし 防災の豆知識 第31回「避難場所」と「避難所」って?

「警報が出たので、避難所に避難した」よく聞くフレーズです。でも、この言葉って正しいでしょうか?
実は、「避難場所」と「避難所」という言葉は似ていますが、違うものです。したがって、前の文章は「警報が出たので、避難場所に避難した」が正解になります。簡単に言うと、

避難場所:災害の危険から命を守るため、緊急に避難する場所
例…公園、近所の空き地・高台等の屋外施設など

避難所:災害によって自宅に住めなくなった人が一時的に共同生活を送る場所
例…学校、体育館、公民館、ホテル等の屋内施設

したがって、避難場所は、皆さんが素早く逃げられるように、各地区で複数の場所が設定されていますが、避難所は、少数しかない適切な施設を町等で指定することになりますので、遠距離を移動することになります。基本的には当初の避難場所には適さない場合があります。
一部の地区では、近傍に避難所(となる施設)がありますが、当初の避難段階では、あくまでも、「避難場所」であって、「避難所」ではありません。
つまり、何かあったら、
(1)とりあえず素早く、近くの避難場所に避難
(2)自身の安全を確保して周囲を確認
(3)
・避難場所で安全確保が不十分なら→協力してより安全な避難場所に移動
・被害や危険性がなく自宅等に戻れるなら→戻って自宅等で注意しながら待機
・被害発生で自宅に戻れないなど→地区役員さん等に連絡して避難所に移動

となります。「避難所」は、被害発生等で必要性が認識された段階から開設されますので、地区からの情報提供は不可欠です。各地区で「避難場所」を有効に活用し、安全の確保と地域の協力をお願いします。