- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年8月15日号
子どもたちが「にじ色」に輝くためにみんなで育ち合っていきたいです
にじっ子サポーターズ代表
小園桂(こぞのかつら)さん
不登校や、特性による学びづらさ・生きづらさなどの困り感を持つ子どもと、家族やサポーターが集う団体、「にじっ子サポーターズ」の代表。団体名には、「色とりどりの個性を持つ子どもたちをサポートする」という意味が込められている。
■講座の出会いから始まったコミュニティー
「次男が学校に通えなくなり、心身ともに疲れ切っていた頃、友達に勧められて、目黒区が主催する発達サポーター育星(いくせい)講座を受講しました。この講座は我が子、友だち、地域のかたのサポートをするため、特別支援に関する基礎知識や支援方法を学ぶ場です。自分と同じ悩みを持つ人が多く参加されていたので、初めて会うかたでもすぐ打ち解けられました」。話すことで心が軽くなる経験をした小園さんは、講座で知り合った仲間とLINEグループをつくり、情報を共有したり、対面でお話し会を開いたりするように。徐々に参加する人数が多くなり、にじっ子サポーターズが形づくられていったと語ります。
■同じ悩みを抱える親たちの語り合いの場所づくり
今や100人以上の大所帯となった、にじっ子サポーターズのLINEグループ。月1回開催する「にじカフェ」についてお聞きしました。「にじカフェは、お子さんが不登校だったり、特性が強かったり、発達が気になったりなど、子育てに悩みや困り感がある親たちが、月に一度集まっておしゃべりをする会です。同じ境遇の人とつながる場でもあるし、困り事を吐き出す場でもあります。やっぱり誰かに話を聞いてもらうってとても大事で、赤裸々に胸の内を話せるとホッとするんです。参加者は誰も否定したり、意見を押し付けたりしません。心置きなく本音を語ることで、背負ってきたものを下ろしてもらえれば。そんな思いで活動を続けています」
小園さんがやっていてよかったと思うのは、地域の子どもたちや親とのつながりが生まれ、関わり合うことで、疲弊した心と体が少しずつ元気を取り戻していく後押しができることだそう。「まちの中で、参加者から声をかけられるようになりました。悩みを抱える人が少なくなるだけでなく、ゆるやかなコミュニティーが生まれて話し合える関係が広がっていくことは、とてもうれしいです」
■親も子も互いに支え合い、育ち合う最初の一歩のために
コミュニティーカフェを借りて、毎週「にじのえんがわ」という居場所活動も開始。さまざまなイベントを通して、子どもたちが学校以外でのんびり過ごせる、大人もホッと一息つける、そんな場所づくりをしています。
「子の不登校に悩む親たちの望みは、子どもが心も体も健康に過ごし、外との関わりを持つこと。私たちの活動が、その最初の一歩になったらいいなと思います」。人と関わり、社会を体験することは子どもの成長に不可欠です。そのためには、親も一緒にコミュニティーを広げることが大切だと小園さんは語ります。「子育てで悩んでいたら、ぜひ私たちの集まりに顔を出してみてください。『自分のせいだ』なんて思わないでほしいです。同じ境遇の人の話を聞いて、新しい視点から子どもへの理解をさらに深める。親も子もみんなで『育ち合い』、みんなで支えられる社会になったら、と思っています」