- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都足立区
- 広報紙名 : あだち広報 2025年11月10日号
火災・災害現場だけでなく、日常の身近なところで地域を守っているのが消防団です。そこには、別に本業を持ちながら活動している方々が所属しています。今号は、区内3消防団の皆さんにご協力いただき、消防団の活動について紹介します。
■消防団ってこんな組織
消防組織法に基づき、消防本部や消防署と同様に各自治体に設置された消防機関です。構成員である団員はボランティア的側面もありながら、非常勤特別職の地方公務員として活動します。
入団資格:消防団区域内に在住・在勤・在学の18歳以上で健康な方
※定年は消防団により異なる
報酬:年額4万2,500円以上
※役職に応じて変動
費用弁償:警戒活動などへの従事1回につき4,500円
※災害に関する活動に従事した場合は9,000円
活動頻度:おおむね月1回程度
※非常時や次記3大行事などを除く。個人差あり
◆足立区消防団の3大行事
・消防団始式(1月)
・消防操法大会(5月・6月)…各消防団が最も力を入れている行事で、消防ポンプやホースの取り扱い等の正確性などを競います。
・消防団合同点検(9月)
◆主な活動
▽平時(例)
住民向けの防火防災指導・応急救護指導
祭事やイベントなどでの啓発・警戒活動
▽非常時(例)
火災現場での消火活動
災害現場での救助・応急救護活動
◆足立消防団 市川元信(いちかわもとのぶ)さん
(50歳代/入団14年目/鳶(とび)職)
▽世代問わずフラットな関係性
入団するまでは上下関係が厳しいイメージが強く、誘われても躊躇(ちゅうちょ)していました。でも入ってみると、世代や団歴関係なく皆さん気さくな良い方ばかりで、すぐに馴染(なじ)むことができました。もしかすると多くの方が「消防団は上下関係が厳しい」というイメージを持っているかもしれませんが、自信を持って「そんなことはない」と言えます!
▽消防団に興味のある方へ
団員になると、必然的に防災の知識や消火器・AED(自動体外式除細動器)の使い方などが身に付きます。何かあったときにこの力を活(い)かせば、自分や地域の方の安全を守れるようになるのはもちろんのこと、大切な人の命も守れるというメリットがあります。守るべき家族がいる私は、消防団に入団して本当に良かったと思っています。
◆足立消防団 大城眞由美(おおしろまゆみ)さん
(30歳代/入団2年目/事務員)
▽入団後は生活にハリが出るように
入団前後を比較すると、何より防災について意識するようになりましたし、外出先ではAEDの設置場所などもきちんと確認するようになりました。また、消防操法大会への出場にあたって、整列や姿勢(規律)などを学ぶ機会があり、それを普段の生活に活かすことで、何気ない日常にハリが出るようになったと感じています。
▽消防団に興味のある方へ
区外から単身で足立区に転入した私にとって、地元が足立区の団員と繋(つな)がれるうえに、区の様々な情報を得られるのはありがたく、入団して良かったと感じます。入団に不安はあると思いますが、入ってみると皆さん優しいですし、イメージよりも多くの女性や皆さんと同世代の方が所属しているので、きっとすぐに安心できますよ。
◆千住消防団 大波将志(おおなみまさし)さん
(40歳代/入団9年目/警備員)
▽路地の多い足立区では消防団が大活躍
消火活動時は、手引きの可搬ポンプや可搬ポンプ積載車を使用します。消防車より小型で小回りが利くので、消防車が入りづらい路地などが火災現場の場合は、消防団がいち早く駆け付けて延焼防止に貢献できるんです。消防隊と連携して消火活動を行うほか、後方支援や周辺の警戒などで現場をフォローしています。
▽消防団に興味のある方へ
消防団に入ると救命講習を受ける機会があり、人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使い方などが学べます。それを応急救護指導では、自分が住民に教えます。自分の知識が教えた人の非常時に活かされ、さらに誰かの命を救う。火災現場のように直接的ではなく、間接的にも命を守り、救えるのが消防団の魅力であり、やりがいです。
