くらし 公共施設の使用料などの見直しについて

◆公共施設を取り巻く問題
公共施設では、市民の福祉向上を目的にさまざまなサービスが提供されています。
しかし現在、少子高齢化の進展に伴う人口減少や、生産年齢人口の減少などにより、市全体の歳入は伸び悩む一方、社会保障費に当たる扶助費は年々増加している状況です。これらの社会問題により、公共施設の更新や維持管理に充てる財源の確保が難しくなっています。
今後、限られた財源の中で公共施設の維持管理や大規模な改修を行うためには、運営経費の縮減や効率化を図る施策を講じ、財政面の課題を解決する取り組みが求められます。

◆公共施設の使用料などについて
公共施設の維持管理には、施設の光熱水費や人件費、修繕費、設備の更新費などが含まれていますが、これら全てを税金のみで賄うことは困難です。そのため、地方自治法第225条の規定に基づき、条例で使用料などの額を定め、利用者から徴収しています。このように、公共サービスの受益者である利用者が施設運営の一部を負担することで、持続可能な公共サービスの提供を支える仕組みが形成されています。
しかし、これらの料金設定は、長期にわたり見直しが行われてないケースや、市民の価値観やサービスの利用実態の変化などに対応できていない可能性があります。

◆利用者(受益者)負担の考え方
このため市では、公共サービスの提供に要する経費を的確に把握し、一定の考え方に基づき、利用者に負担いただく額を算定することにより、負担内容の透明性を高め、利用者と未利用者の双方の理解を得る料金設定とすることを目的に、平成30年4月に「受益者負担の在り方に関する基本方針」(以下「基本方針」)を策定しました(令和5年4月に一部内容を改訂)。基本方針では、料金設定の考え方を明確にし、算定方法を示しています。
施設管理経費のうち、土地の取得費や施設の建設費、大規模改修費などの費用を除いた一部を原価として設定しています。そのうち受益者に負担いただく額は、施設の利用形態や機能に応じた負担割合を設定し、使用料などとして算定しています。

基本方針について詳しくはこちら

《受益者負担イメージ図》
施設管理経費

原価に算入しない経費
・施設の取得費用(土地の取得費、施設の建設費など)
・大規模改修費など
原価
運営経費(光熱水費、人件費、修繕費、委託料、備品購入費など)

税金で賄う額
受益者に負担いただく額
施設の利用形態や機能に応じて受益者に負担いただく割合を設定
(受益者の負担割合が50%の場合)

◆原価算定調査の実施
基本方針に基づき、条例で定められている施設のうち、使用料などが設定されている43施設を対象に、使用料などの算定根拠となる原価算定調査を令和6年度に実施しました。その結果、左表の16施設において、現行料金が受益者に負担いただく額を下回っていることが分かりました。

◆料金の改定に係る今般の議案審議の経緯
市では、これら16施設の使用料などについて、料金の見直しを検討し、市議会令和7年9月定例会に料金改定に係る条例改正議案を提出しました。議案審議の中では、物価が高騰している状況の中で、市民の経済的な負担が増えることへの懸念が示された他、市民などに対する説明や意見聴取が不足しているなどの指摘をいただきました。
これらを重く受け止め、市として慎重に検討した結果、利用者を含めた市民の意見聴取などを踏まえ、改定時期や改定率の見直しなどを、改めて精査する必要があると考え、条例改正議案を撤回することとしました。
・今後の対応
まず、利用者への意見聴取などによって、幅広い意見を収集し、その内容を踏まえた料金改定案を再検討します。具体的なアンケートなどの意見聴取方法は、準備が整い次第、市ホームページや各施設での掲示などでお知らせする予定です。
また、物価高騰や少子高齢化に伴う財政構造の変化など、昨今の社会情勢や、市の公共施設を取り巻く環境について、皆さんにご理解いただけるよう丁寧な説明に努めます。引き続き、市民生活を支える公共施設を適正に維持管理し、市民が安心して利用できる環境づくりを進めます。

◆料金改定が必要な施設
(1)川東タウンセンターマロニエ
(2)城北タウンセンターいずみ
(3)橘タウンセンターこゆるぎ
(4)生涯学習センター本館(けやき)
(5)生涯学習センター国府津学習館
(6)郷土文化館分館松永記念館
(7)尊徳記念館
(8)小田原文学館
(9)城山陸上競技場
(10)城山庭球場
(11)小峰庭球場
(12)城内弓道場
(13)生きがいふれあいセンターいそしぎ
(14)保健センター
(15)梅の里センター
(16)梅の里センター分館曽我みのり館

【WEB ID】P24916
問い合わせ:企画政策課
【電話】33-1254