子育て 〔こころの居場所・こどもの居場所〕知っていますか?ヤングケアラー

近年、社会問題として取り上げられることが増えてきた「ヤングケアラー」。
外部からは存在が見えにくいですが、もしかしたらあなたの周りにも悩んだり、苦しんだりしている人がいるかもしれません。
こどもがこどもらしくいられる町をめざして、私たちができることを考えてみましょう。

■ヤングケアラーってなに?
ヤングケアラーは、本来大人が担うと想定されている家事や家族のケアを日常的に行っているこども・若者のことです。彼らは「自分の時間」を使って家族のケアなどをすることで、学校や部活動を休まざるを得ない、友だちと過ごす時間が持てないなどの影響が生じています。

○例えば…
・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・洗濯などの家事をしている
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
・障がいや病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている
・目を離せない家族の見守りや声かけなどの気遣いをしている
・日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている
・家計を支えるために働き、障がいや病気のある家族を助けている
・アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している
・がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
・障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている
・障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている
出典:こども家庭庁

■ヤングケアラーの現状
令和2年度に厚生労働省が実施した調査によると、中学2年生の5.7%が、世話をしている家族が「いる」と回答しました。これは回答した中学2年生の17人に1人が、ヤングケアラーの可能性があるということになります。

○お手伝いとは「別物」
年齢や成長過程に見合わない負担や責任を負い、学校生活や日常生活に支障が出るほどケアをしなければならない点がお手伝いとは異なります。

家族をケアするのは悪いことではないけど、ずっとだと疲れちゃうよ

■ヤングケアラーが抱える問題
ヤングケアラーとして実際に家族を支えていた方に、ヤングケアラーが抱える問題を伺いました。

《INTERVIEW》
今回お話を伺った 町内在住 Aさん

~当時から「この状況は異常だな」と感じていた~

○どのようなケアをしていたの?
高校3年間、歳の離れた妹の世話をしました。働く親に代わり、食事や風呂、寝かしつけ、保育園の送り迎えなどをしました。

○当時感じていたこと
「ヤングケアラー」だったと気づいたのは2、3年前。この言葉が社会に広まり始めたころです。
しかし、ケアをしていた当時から「この状況は異常だな」と感じていました。私は隙間をぬって勉強や部活、アルバイトをしましたが、他の人たちと同じように満足にはできませんでした。友だちの誘いを断ることや、友だちを失うこともあり辛かったです。

○ヤングケアラーへのサポート
ヤングケアラーへのサポート体制は、まだまだ課題があります。負担を減らす支援はもちろんですが、話を聴いて寄り添ってくれる同世代や大人の存在は心強いと思います。

○ヤングケアラーのみなさんへ
頼れる支援はどんどん活用しましょう。「どうせ現状は変わらない」と思わず、抱えているものを吐き出してみてください。話を聞いてもらうだけでもきっと気持ちが楽になります。
そして、あなたの人生ですから、あなたの時間や人生を大切にしてください。

○元ヤングケアラーが伝えたい!悩みを打ち明けられたら…
寄り添って話を聴いてもらいたいです。私自身もそうでしたが、悩みや苦しみを打ち明けられないヤングケアラーは多いです。
アドバイスではなく、まずは彼らの気持ちを受け止めてもらえたらと思います。

■こころの居場所づくり
周りにヤングケアラーだと思われる人がいた場合、私たちには何ができるのでしょうか?

もし、あなたの大切なお友だちが悩みや辛い気持ちを打ち明けてくれたら、まずは、そのお話を聴いてあげてください。勇気をだしてあなたにお話してくれたのかもしれません。
きっと、お話を寄り添って聴いてもらうだけでも、そのお友だちの気持ちは少し楽になると思います。
そして、「学校は楽しい?」など日常会話から声かけをすることで「こころの居場所」ができると思います。

■ヤングケアラーのことを相談できる場所
・担任の先生、保健室の先生、スクールカウンセラーなど
・町こども課(こども家庭センター)【電話】84-0327
・かながわヤングケアラー等相談LINE
・かながわケアラー電話相談【電話】045-212-0581

あなたが相談しやすいところに相談してみよう

問合せ:こども課
【電話】84-0327