- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県村上市
- 広報紙名 : 市報むらかみ 2025年9月1日号
認知症になっても安心して住むことができる村上市へ
9月は、「認知症月間」です。認知症について、考えてみませんか。
大毎集落の河面さんのお宅には、毎日顔なじみのメンバーが集まります。お茶を飲みながら会話に花を咲かせ、「誰かが認知症になっても、こうして集まるよ」と話していました。
令和6年1月1日、共生社会の実現を推進するための認知症基本法(以下、「認知症基本法」といいます)が施行されました。この法律は、認知症の人を含めた国民一人一人が、お互いに支え合いながら活力ある社会(共生社会)の実現を目指すことを目的としています。
■「古い認知症観」から「新しい認知症観」へ
市では、介護認定の新規申請理由として「認知症」が最も多く、約4,000人の介護認定者のうち6割の人に認知症の症状があります。また、症状があっても介護申請をしていない人が多く、地域包括支援センターでは、日々相談に対応しています。認知症は、誰もがなり得る身近な病気ですが、誤った知識や偏見が根強く残っています。そこで、市では、「新しい認知症観」の普及に取り組み始めました。「新しい認知症観」が広がることで、認知症の人やその家族、地域の皆さんが安心して暮らせるまちになることが期待されます。
▽古い認知症観
・他人事、関わりたくない
・何も分からなくなる
・恥ずかしい、知られたくない
・周りの人の援助が必要
・地域で暮らせなくなる
▽新しい認知症観
・自分ごととして考える
・分かることやできることがある
・自分は自分。オープンにする
・診断されても支える側になれる
・地域の一員として暮らす
■認知症になっても変わらない生活を
62歳で若年性認知症と診断されたSさん(仮称・65歳)は、診断後に新しい仕事に就きました。病気でも、周囲の理解や心地良いと感じながら過ごせる環境があれば、その人らしく暮らすことができます。
▽Sさんからのメッセージ
「仕事をしているなんてすごいね」と言われますが、自分にとっては「普通のこと」です。今は、ためたお金で鉄道模型を買うことが目標です。
■「認知症カフェ」へようこそ
認知症の人やその家族、認知症に関心のある人が気軽に集える場所です。
ミニ講座やカフェタイムなどで、参加者同士の交流や情報交換、相談対応を行っています。ぜひお越しください。
▽9月の認知症カフェ
■9月21日は、「認知症の日」村上市オレンジプロジェクト
認知症基本法では、毎年9月を「認知症月間」、9月21日を「認知症の日」として定めています。市では、認知症月間に合わせて、「村上市オレンジプロジェクト」を実施しています。
認知症支援のイメージカラーであるオレンジ色を使って、市役所や支所の装飾、村上駅前歓迎塔のライトアップを行うなどして一人でも多くの人に正しい理解が広がるように普及啓発活動を行っています。
また、市職員向けの「認知症サポーター養成講座」を実施して、認知症の人やその家族に、安心して窓口にお越しいただけるように取り組んでいます。
■令和7年度村上市認知症普及啓発映画上映会を開催します
39歳で若年性認知症と診断された丹野智文さんの実話に基づく物語「オレンジ・ランプ」を上映します。
とき:9月21日(日)[1回目]午前9時30分~正午[2回目]午後1時~3時30分
ところ:教育情報センター視聴覚ホール
入場料:無料
※申込は不要です。直接会場にお越しください
内容:「オレンジ・ランプ」上映会、作品展示・販売、VR体験など
問い合わせ先:介護高齢課地域包括支援センター
【電話】75-8937
その他:高齢者の総合相談窓口です 認知症に関する相談に対応します。お気軽に相談してください。
・介護高齢課地域包括支援センター【電話】75-8937
・各支所地域振興課地域福祉室
荒川支所【電話】62-3104
神林支所【電話】66-6113
朝日支所【電話】72-6887
山北支所【電話】77-3113