- 発行日 :
- 自治体名 : 富山県入善町
- 広報紙名 : 広報入善 2025年9月号
1945年8月、広島と長崎で核兵器が使われ、その年だけで約21万人もの尊い命が失われました。
あの悲劇からことしで80年。戦後生まれの人が総人口の約9割を占める中、戦争の悲惨さと平和の尊さを、忘れることなく次世代に語り継いでいくことが大切です。
ここでは、8月6日を中心に行われた町平和祈念事業などについてお知らせします。
◆世界平和を願う 町平和祈念式
町では、核兵器廃絶と世界平和を願い、昭和63年に「非核平和都市」を宣言、平成2年から毎年8月6日に旧役場前の非核平和都市宣言碑前で町平和祈念式を行い、核兵器のない世界平和を呼び掛けます。
36回目となる今年の平和祈念式では、笹島町長が「人々の尊い生命と豊かな暮らし、美しい郷土を守るため、戦争のない平和なまちづくりを実践しなければならない」とあいさつ。
広島の原爆投下時刻、午前8時15分に合わせて、参列者約100人が原爆の犠牲者へ黙とうをささげ、平和への誓いを新たにしました。
◆1012人の冥福を祈る 町戦没者追悼式
町戦没者追悼式は同日、コスモホールで行われ、参列した遺族らが町の戦没者1012人の冥福を祈りました。
式では、笹島町長が「今日の平和と繁栄は、幾多の先人の大きな犠牲と苦難の歴史の上にあることを心に刻み、いつまでも忘れてはなりません」と式辞を述べ、参列者全員で黙とうを捧げました。
本田均(ひとし)町議会議長、上田英俊(えいしゅん)衆議院議員、上田精弌(せいいち)町遺族会長、山本甚克(じんかつ)県遺族会長らが追悼の言葉を述べて、参列者が献花しました。
◆原爆投下から80年の節目、町小学生が広島の地へ 平和大使12人が平和記念式典に参加
戦争の悲惨さや平和の尊さを知ってもらうために、町では毎年、広島市平和記念式典に平和大使を派遣しています。
平成8年の派遣開始以来、ことしで28回目となる大使には、各小学校から6年生2人ずつの計12人が参加。8月5日から7日までの2泊3日の日程で広島市を訪れました。
5日に町役場で開かれた出発式では、野口陽葵(ひまり)さん(桃李小)が派遣への決意を述べて児童ら一行は出発。クラスみんなで折った千羽鶴を平和記念公園にささげた後、原爆ドームなどを見学しました。
また、当時10歳代の国鉄職員男性の被爆体験とその後の壮絶な人生について、語り部の三保令子(れいこ)さんから聴き、核兵器の恐ろしさを学びました。
6日には世界120の国と地域から集まった約5万5千人とともに、平和記念式典に参列。犠牲者の冥福と核兵器のない世界の実現を祈りました。
7日には、広島市国際平和推進部へ表敬訪問。笹島町長から預かった、松井一實(かずみ)広島市長への平和メッセージを届けました。
同日夜の解団式では、四方日葵(しかたにき)さん(上青小)が「悲しい歴史を2度と繰り返さないために、被爆者の想いを語り継ぎ、世界に平和の尊さを伝えたい」とあいさつしました。