くらし 西山動物園 開園40周年特集(3)

■ここがパンダフル!(4)思い出いろいろ
~動物園のみんなの思い出~
生活に身近な西山動物園だからこそ、園での思い出や動物たちとのつながりは人それぞれです。動物と人とがつむぐストーリーは十人十色ならぬ「獣人十色」。あなたにとっての西山動物園はどんな場所なのか、教えてください。

◇西山動物園はサルもたくさん
山﨑惇詞(やまざきあつし)さん(豊小学校4年)
今年度の「西山動物園絵画コンクール」で市長賞に選ばれました。西山動物園にもいるシロテテナガザルが木にぶら下がっている姿を描いた作品です。
僕の家は山に近く、木にいるサルを見たことが何度もあります。木を自由に登り降りできるサルが大好きで、僕もあんな風にできたらいいなと思います。出品した絵では枝を握る指の1本1本まで丁寧に表現し、体の色も茶色と黄色を混ぜるなどして工夫しました。受賞式の帰りも園で見学しましたが、本物のサルが木に登る姿は迫力があってすごかったです。

◇寝転がった姿のレッサーパンダは癒し
武藤(むとう)ひなこさん(立待小学校6年)
今年度の「動物愛護に関する標語コンクール」で、「たのしみは動物園に遊びに行ってレッサーパンダの寝顔見た時」という標語を応募して西山動物園賞をもらいました。家族で昔からよく行く西山動物園。この間はレッサーパンダが寝転がっていて、それがとてもかわいくて癒されたのが印象に残っていて標語にしました。西山動物園ではリスザルたちも元気にはしゃいでいて、それを見ると私も楽しい気分になります。人懐っこい動物たちがたくさん住んでいる動物園がとても大好きです。

◇レッサーパンダカレンダーで魅力発信
写真・デザイン業 藤田晶啓(ふじたあきひろ)さん(59)
地元の印刷業者有志でつくる「鯖江印刷協同組合」では開園初年度よりオリジナルカレンダーを作り、市に寄贈するとともに無料配布を始めました。途中で有料化しましたが、皆さまに支えられて2022年まで作り続けることができました。
私は37年間、カレンダー用の写真を撮り続けてきました。愛らしいレッサーパンダですが、小熊猫の文字通りちょっと凶暴な一面もあり、カメラを構えた私が逃げ出したことも。これからも鯖江のPR大使として愛され続けることを願っています。
※2023年からは「ZooっとNet西山動物園友の会」がカレンダー制作を引き継ぎ

◇今や幻の味?レッサーパンダアイス
元鯖江商工会議所青年部PR委員長 岸本大紀(きしもとだいき)さん(53)
若手の経営者らでつくる「鯖江商工会議所青年部」(略称 鯖江YEG)で2015年、レッサーパンダの気持ちになれるアイスを作りました。「異業種が集まる私たちだからこそ作れるワクワクドキドキできるものを」との思いが原点でした。つつじまつりでのアンケートや試食会などを経て、レッサーパンダの好物であるサツマイモやリンゴのほか、国産のクマザサパウダーを入れたアイスを作り、計5000個を売りました。鯖江を面白くしたいとの思いは今のメンバーも同じ。今後の鯖江YEGの活動にも、ぜひご注目ください。

◇レッサーパンダの命名、夢みたい
王(ワン)ワンティンさん(33)
(※「ワンティン」は環境依存文字のため、かたかなに置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。)
レッサーパンダが大好きで、故郷の台湾から福井に移り住んだのも西山動物園が近くにあるからです。2020年、生まれた赤ちゃんの命名権をクラウドファンディングで得た時は夢みたいな気持ちでした。当時はコロナ禍だったこともあって、平和を意味する「ピース」と「助け合い」を合わせた「ピースケ」と名付けました。今は大島動物園(東京)で活躍しているピースケですが、争いや不安定な状況が世界中で絶えない今、私が込めたメッセージをピースケがたくさんの人たちに広めてくれたらうれしいですね。

◇「また来るね」来園者の声にやりがい
野瑞(のしるし)さん(71)
私を含めた家族3世代が市民団体「ZooっとNet西山動物園友の会」のメンバーとして活動しています。娘が中学生の時から通っている西山動物園。私の古里・静岡にかつてあった小さな動物園と雰囲気が似ていてとても好きです。子どもたちにはぜひ本物の動物を見てほしいですね。それが、気負わずに行ける西山動物園の魅力でもありますから。
友の会の活動では、動物園をPRしようと孫たちがテキパキと頑張っているのを見るのがうれしいですね。ファンの人たちの「また来るね」の声に私自身もやりがいを感じます。