- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県飯山市
- 広報紙名 : 広報飯山 令和7年8月号
外様地区 高山 りえ
■予想外の移住
私は神戸の森の中にある住宅地で育ち、ニューヨークやロサンゼルス、東京など大都会での生活後、飯山にたどり着きました。それまでは飯山を知ることもなく、移住も予想外のものです。最初はアート文化もある松本に移住しましたが、もっと北へ行きたくなり北信巡りをしました。そんな中、友人の誘いで初めて飯山の秋祭りを訪れました。天狗が振りかざす大きな炎の後に参列し、鳥居をくぐることがとても幻想的で神聖な儀式に参列させてもらっていると感じました。母が話していた昔の祭りの世界へタイムスリップしたようで、それが現在も大切に行われていることはとても素敵なことだと思います。そして小菅神社や山伏のことを聞き、仏教が好きな私は気になってその後飯山を訪れ始めました。白馬、信濃町、飯綱、須坂なども訪れましたが、静粛な女神様のようなエネルギーを感じる飯山の山々と東京へのアクセスがある新幹線が移住の決め手となりました。
早速その冬に移住。お試しでシェアハウスに住むことからスタートしましたが、アトリエスペースが必要になったので他の物件を探し始めました。アーティストにとって広いアトリエは不可欠です。都会では広いスペースを確保することが困難なので田舎に移住する方も多くいます。
■助け合って生きていく
不動産や空き家バンクなどに問い合わせをしましたが何度か単身という理由でお断りされ、空き家が沢山あるのになかなか難しいと感じました。そんな中、知り合いやご近所の方々を通してやっと物件が見つかりました。引越し後の片付けや修繕は大変ですがご近所のサポートがありとても助かっています。お互い助け合って生きていく、人と人との繋がりを体験できたのは私の人生の中でとても深い体験です。
■移住課題への提案
そして移住後よく耳にしたことは移住者が数年で出ていくという課題があるということです。対策の一つとして実際に冬を過ごすトライアルステイができる場を設け、立地や家の構造で異なる除雪方法の体験、機材や住まいの対策にかかる費用の予測、地元の方々や移住者との交流を通して助け合うことで何が可能か知識や経験を得る、などのサポートがあると移住物件購入後の「予想より過酷だった」ということも防ぎやすいかと思います。私自身除雪の大変さを経験し、なるほど単身を断るというのも分かる部分もありましたがご近所の方々のお陰で単身でもなんとかなりました。ファミリーだけ受け入れる体制ですと移住者が限られるので、単身も移住しやすくすればさらに人口減少への対策へと繋がりやすいのではないでしょうか。実際私はおばあちゃん一人で畑仕事や除雪を行っている姿を日々見ておりととても励まされています。
そんな冬も一年中飯山を覆うこともなく、深い雪解けの後に芽生える色とりどりの草花や山菜、贅沢な環境でのお花見、草の香りの中で川沿いを散歩できるアナウンス付きの花火大会、黄金の波のように揺らいでいく収穫前の田んぼ、個性豊かな秋祭り、実は沢山あるお寺や湧水、ご近所の方々との繋がりなど、観光ではなく暮らしの中から得る豊かさを限られた人生の時間の中で経験できていることに感謝しています。
■筆者紹介
高山りえさんは、昨年1月に外様地区へ転入されました。
絵画、映像、空間アートを手掛ける芸術家「RIA」として国内外で活躍されており、飯山市でも壁画制作や作品の展示などをしてみたいとお話しされました。RIAさんの作品は、本紙掲載の二次元コードからご本人のインスタグラムでご覧いただくことができます。ぜひご覧ください。(外様公民館)