くらし ツキノワグマゾーニング管理について

近年、長野県内でも里山の農地や集落において、ツキノワグマによる人身被害が増えています。
村では、村民の生命や財産を守るために、令和6年度から国・長野県の対策方針にあわせて、村内を野生動物の生息状況や生息環境、村民の活動等を考慮して、「排除地域」「緩衝・防除地域」「主要生息地域」に分けて、それぞれの地域区分ごとに対策方針を定めた木祖村ツキノワグマゾーニング管理計画を作成しました。

なお、この対策については、県・村だけが行うのではなく、地域住民も関わって行います。

■地域区分について
(1) 排除地域
クマを出没させないように、特に対策を行う地域。
近隣に田畑、山林が少ない人家密集地(藪原駅ー村道薮原町並線と県道26号線の北側交差点―まめのわーキャンパス公園の間)、教育施設(とちのみ保育園、木祖小学校、木祖中学校、中学校下通学路)、高齢者利用施設(サニーヒルきそ、デイサービスセンターたのし屋)を「排除地域」として区分した。

(2) 防除・緩衝地域
クマが出没しにくい環境を作り、出没を防ぐ地域。
排除地域を除く集落や農地と集落・農地間の林帯が混在する里山地域を「防除・緩衝地域」として区分した。
他には、こだまの森についても観光客の安全を確保するため「防除・緩衝地域」としている。

(3) 主要生息地域
クマが生息しやすい環境を作り、里に出てこないようにする地域。
排除地域、防除・緩衝地域以外の地域。味噌川ダム周辺、鳥居峠遊歩道、水木沢天然林などの人が集まる場所も含みます。

■被害防止対策の内容について
(1) 緩衝帯整備(「排除地域」「防除・緩衝地域」)
クマが出没しにくくなるように、道からの見通しを良くするために、薮や、雑草の刈り払いを行う。特に「排除地域」については、地域住民が村と協力して優先的に安全点検や緩衝帯整備を実施する。

(2) 誘引物の除去(「排除地域」「防除・緩衝地域」)
以下のような対策により、クマを誘引する原因の除去に努める。
・養蜂箱、養魚場については、周囲に電気柵を設置する。
・放棄農作物については、除去や埋設処理、電気柵の設置等の対策を実施する。
※放棄農作物はニホンザル捕獲用のエサになるため、村に一報をお願いします。
・匂いによる誘因となる燃料や漬物、コンポストについても対策をする。特に「排除地域」については、対策を十分に行い寄せ付けないようにする。
・カキやクリ等の誘引物となる果樹については、早めに収穫するか所有者自身が電気柵の設置やトタン巻き(クマが登れなくなる)などを行う。また、不要な果樹は伐採する。
・養魚場、牛舎の管理者は、誘引物になる可能性のある飼料を屋外に設置することは避け、屋内で管理する。

(3) 主要生息地域での対応
以下のような対策により、クマが山を利用する人と遭遇せずに里山に出なくても生息しやすい環境を作る。
・クマの主要生息地となる奥山がクマにとって生息しやすい環境となるよう、計画的な再造林や天然更新を通じた森林の形成を、県と村が協力しながら進めることとする。
・鳥居峠や水木沢天然林等、多くの人が利用する場所周辺においてクマを誘引する原因となるものの除去等に努める。例えばゴミ類は持ち帰るなど、誘引物除去に努める。
・観光客や地域住民へ向けた注意喚起の看板の設置や維持管理、クマ鈴の利用の推進に努める。

(4) 普及啓発
小中学生を対象としたクマに関する授業等の学習機会や時間を設けて、普及啓発に努める。加えて、地元の集会等、村民の参加可能なクマに関するイベント等を企画するなどして普及啓発に努める。

■捕獲について
「排除地域」への出没や「緩衝・防除地域」での人身被害の恐れがある場合は村長許可による捕獲が可能になりました。また、「主要生息地域」であっても、人身被害の恐れがある場合は、今まで通り県の許可による捕獲は行えます。

捕獲は、役場への目撃情報や被害情報がないと行えません。情報提供をお願いします。

お問い合わせ:木祖村役場 産業振興課(林務係・農政係)
【電話】36-2001