くらし わたしたちは平和を守り未来へつなぐ~小山町平和教育生徒派遣事業~(2)

◆遠くの戦争
北郷中学校 鈴木 晴也
私にとって戦争は、身近なものではありませんでした。私が知っている戦争に関係するものは「この世界の片隅に」というアニメ映画でしたが、その映画の中の人々の生活や、見ているだけでつらくなるようなシーンが実際に起きたのだと実感することはできませんでした。戦争は自分とは遠くにあるような、自分事として思えない気持ちで広島平和学習に参加しました。
1日目、被爆者家族の方から被爆した女の子の話を聞きました。その女の子は13歳から毎日、日記を書いていました。その日記には、学級委員になったことや出征中の父に手紙を送ったこと、音楽の先生である父のように自分も音楽の先生になりたいという夢などが綴られていました。それを見て、戦争のあった80年前にも自分たちと同じように家族を大切にし、夢を持った人たちがいたことに気付きました。
平和な現代の日本に生まれた私たちにとって、戦争は遠い日のことです。ただ、その戦争の中にも自分たちと同じように生活し、様々な思いをもって生きる人たちがいたことを伝えていきたいと思いました。

◆広島平和学習を通して
須走中学校 水野 慶次郎
世界中が戦争をせず、経済的に発展した生活が永遠に送れるような世界。広島平和学習に臨む前まで、僕は平和についてこのような安易な考えを持っていました。
しかし、実際に見聞きして平和への考えに変化が生まれました。
戦後80年が経ち、日々証言者が減っています。今後「あの日起きた残酷な出来事」を語り継ぐ当事者がいなくなると、悲惨な戦争が再び起こりかねません。そんな世の中にならないよう、原爆による被害や戦争の愚かさを後世に語り継いでいくことが一番大切だと考えます。
平和学習を通して、新たに「過去の過ちを戒(いまし)めとして残し、その惨状を後世に語り継ぐ必要がある。そして、自分たちだけが幸せなのは、決して平和ではない。」という考えに至りました。今回経験したことを、仲間や後世にしっかり伝えていきたいです。

◆命や平和を守り続けるために
須走中学校 星 凛
広島平和学習の私のテーマは「命の重み・平和への願いや意味」です。平和記念資料館では、被爆者の遺品を間近で見て、当時の生活と原爆の恐ろしさを感じました。
被爆者体験講話では、亡くなった父親の思いを受け継いだ息子さんが語ってくださり、被爆直後の広島の様子や、被爆者やその家族の心境に触れることができました。
また本川小学校では、原爆による約4千度の熱線が人間や建物を襲ったこと、それによって人生が大きく変わってしまった大勢の人がいることも知りました。
平和学習を通して、原爆の残酷さや平和の尊さを改めて知ることができました。平和を一人ひとりが守り続け、戦争や原爆のない世界を目指すために、これからもヒロシマと向き合い、平和や命の尊さを未来につなげていきたいです。