- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県森町
- 広報紙名 : 広報もりまち 令和7年9月号
■橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折!〜骨粗しょう症の始まりかもしれません〜
前腕には「橈骨(とうこつ)」と「尺骨(しゃっこつ)」という2本の骨があります。特に中高年以降の女性が転倒して手をついた際に、手首に近い部分の「橈骨」が骨折することがあります。これを「橈骨遠位端骨折」と呼びます。主な症状は、手首の痛みや腫れです。骨がずれると、手首が横から見てフォークのように曲がった「フォーク状変形」がみられることもあります。診断にはレントゲン検査が用いられ、骨のずれ(転位)、骨折の形状を確認します。治療は、骨のずれがなければギプス固定で済むこともありますが、転位が大きい場合や関節面に骨折が及んでいる場合には手術が必要となります。骨を元の位置に戻し、チタン製のプレートで固定します。治療後はリハビリを行い、手首の動きを取り戻すことが大切です。適切な治療とリハビリにより、多くの人が日常生活に復帰できます。しかし、骨折の治療だけで終わってはいけません。特に中高年以降の女性では、骨折の背景に骨粗しょう症が隠れていることが少なくありません。そのため、橈骨遠位端骨折をきっかけに骨密度検査を受け、骨粗しょう症と診断された場合には、速やかに治療を始めることが大切です。骨粗しょう症を放置すると、将来的に大腿骨や背骨など、より重大な骨折を起こすリスクが高まります。