- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年10月号
近年、全国的に予測不能な豪雨や大型台風が増加し、津市でも道路冠水などの浸水被害が発生しています。特に低地や河川周辺では、短時間の降雨でも影響が出やすく、早急な対策が求められています。
市では平成30年度に「津市雨水管理総合計画」を策定し、浸水リスクが高い15の区域を重点対策地区に選定。その上で、雨水幹線、雨水ポンプ場の整備などの浸水対策に取り組んでいます。例えば、藤方第二排水区では直径3.4m、延長約1.5kmの大規模な雨水管を、半田川田排水区でも直径2〜2.8m、延長約2kmの雨水管の整備が進行中で、完成すれば周辺の浸水リスクが大きく低減されます。また、一志地域では国・県と連携し、事業費17億円で新たな雨水ポンプ場の建設を予定しています。その他の地区でも、地形や流域特性に合わせたポンプ場、雨水幹線、調整池等の整備を進めています。
こうした事業には多額の事業費が必要となります。藤方第二、半田川田、波瀬川第六・第七排水区は、国の大規模雨水施設整備事業に採択されたことにより、個別補助制度を活用し、事業を計画的に推進しています。
これからも、安定した財源を確保しつつ計画的な整備を継続し、浸水リスクの抑制と被害軽減に向けて対策を講じていきます。
シールドマシンとは?
シールドマシンは、モグラのように地中を掘り進む巨大な機械です。先端の刃で土を削りながら、同時にトンネルの内壁を組み立て、安全に雨水管を作ります。
■浸水被害範囲の推移〜昭和・平成・令和〜
昭和30〜40年代、農地や国道23号沿線の宅地化に伴い雨水流出量の増大が懸念されました。そこで、雨水を河川などに排水する施設(雨水幹線、ポンプ場)を整備する都市下水路事業(後の公共下水道事業)を実施。令和6年度までに雨水幹線整備総延長3万6759m、総事業費約641億円(うち都市下水路事業が約388億円)をかけ、雨水対策を行ってきました。
▽昭和49年7月 集中豪雨
発生日:7月24日〜25日
昭和49年時点で21施設だった排水機場施設は、平成16年には50施設まで増設。排水処理能力の向上により被害が大幅に軽減
▽平成16年9月 台風21号
発生日:9月28日〜30日
昭和49年時点で毎分3,325m³だった排水処理能力は、令和6年には毎分17,734m³へと約5倍に向上。昭和49年の豪雨と比較すると総降水量が約1.5倍であったにもかかわらず被害は大幅に軽減
▽令和6年8月 台風10号
発生日:8月29日〜9月2日
※1 浸水被害のうち、昭和49年・平成16年は合併前の旧津市のみのデータ
※2 浸水解消時間はいずれも道路冠水時間を比較し、昭和49年・平成16年が災害関係記録に基づく推計値、令和6年は浸水センサ検知結果に基づく時間
■令和の雨水対策~雨水管理総合計画に基づく展開~
津市雨水管理総合計画に基づき、15の重点対策地区で浸水対策を集中的に進めています。計画期間中の浸水対策事業費は、国の「防災・安全交付金」と「大規模雨水処理施設整備事業」を活用し、約160億円を計上します。
▽雨水管理総合計画(R1~10)事業スケジュール
▽重点対策地区の整備等状況
(4)半田川田排水区
事業費:約48億円
管路延長:1,986m
雨水ポンプ場
令和元年度着手→令和8年度完了予定
(11)藤方第二排水区
事業費:約57億円
管路延長:1,517m
令和元年度着手→令和8年度完了予定
(15)波瀬川第六・七排水区
事業費:約17億円
第六雨水ポンプ場
令和6年度着手→令和11年度完了予定
※詳しくは本紙をご覧ください。
問合せ:
下水道工務課【電話】239-1033【FAX】239-1037
河川排水推進室【電話】229-3207【FAX】229-3345