- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県四日市市
- 広報紙名 : 広報よっかいち 9月上旬号NO.1676
[Interview03]
▽復興するまでは長期戦。大切なのは
危機管理課 林(辞令時は市民課)
派遣期間:令和6年4月1日~令和7年3月31日
私は、生活の再建全般に関する相談の受け付け、災害関連死などに対する弔慰金などの申請案内をする部署に1年間所属しました。同じ部署で働く輪島市の職員は、自分の家族を亡くしていても、家を失い避難所から出勤していても、毎日輪島市のいち早い復興のために働いていました。そんな姿を見て、少しでも役に立ちたいと思い、業務のほかにも精一杯の支援活動をしました。
“能登はやさしや土までも”の言葉にあるように、能登の人たちは自分たちが大変な状況であるのに、知らない土地に来た私を温かく受け入れてくれました。そして、この人たちは、人とのつながりを大切にし、助け合う精神があるからこそ、前を向けているのだと思いました。
能登での生活を通して実感したのは、被災からの本当の意味での復旧・復興はかなりの長期戦だということ。備蓄品や避難方法などは第一に考えるべきことですが、あなたが、まちが、すべてを失ったときどうなるのか、長いスパンで想像してみてください。能登に残る課題はたくさんあり、むしろこれからが正念場なんです。被災地を離れても、できる限りの支援をし続けたいです。
●さまざまな場面で生きる「人と人とのつながり」
災害時に、地域住民同士が互いに助け合うことを「共助」と言います。災害時には、自分や家族の安全を確保した上で、近所の人々や地域社会と協力し、支え合うことが大切です。日ごろから、あいさつを交わしたり、地域のイベントに参加したりするなど、地域の人々と顔の見える関係をつくりましょう。
▽災害発生直後
道路の陥没や家屋の倒壊などによる、避難経路の変更など、イレギュラーが絶えません。地域の高齢者・障害者など支援が必要な人の避難を支援するほか、隣近所同士で声を掛けるだけでも状況が変わることがあります。
[Point]
・命を救うのは災害発生から数時間が勝負といわれる
・災害発生直後は、公助(消防・警察・自衛隊などの支援)が機能しない場合がある
▽避難所生活
避難所生活では、さまざまな場面で助け合いが必要です。人と人とが助け合って生活することは孤独感を軽減し、災害関連死などの被害を最小限に抑えることにつながります。
[Point]
・避難所生活で、顔見知りがいる安心感は大きい
・避難者同士の情報交換がカギになることも
▽復旧・復興期
家や職場、学校などが元通りになり、いつもの生活が戻るまでには、長い時間と労力がかかります。少しでも早い復旧・復興には、公助はもちろんですが、地域のつながりやボランティアなど、多様な人の協力が必要です。
[Point]
・災害発生から時間が経つと支援の数が減る
・共助がある地域は復興が早いという過去の事例も