くらし 自転車に安全に乗ろう

自転車は気軽に利用できる便利な乗り物ですが、安全で快適に自転車に乗るためには、利用する一人一人が交通ルールを守り、安全に利用することが欠かせません。
令和5年4月に自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化され、令和6年11月には自転車運転中にスマートフォンなどを使用する「ながら運転(ながらスマホ)」や「自転車の酒気帯び運転およびほう助」など自転車の危険な運転に対し、新たに罰則が整備されました。
この新たなルールは、自転車に乗る人はもちろん、道路を通行する皆さんの安全を守るためにとても重要です。
今回の特集では、ヘルメット着用の重要性など、皆さんが安全に、安心して自転車に乗る方法をお伝えします。

■増えている自転車事故
市内の交通事故のうち人身事故の総件数は、コロナ禍による外出自粛などの影響で減少しましたが、令和4年以降は増加しています。自転車が関わる人身事故件数もコロナ禍に減少しましたが、その後は増加傾向にあります。
令和5年中に市内で発生した自転車が関わる人身事故件数のうち、約8割に自転車側にも何らかの違反がありました。違反の内容は、「交差点安全進行義務違反」や「安全不確認」、「一時不停止」などが挙げられます。
自転車も軽車両であることを忘れず、交通ルールをしっかりと理解して、安全運転に努めましょう。

◇市内の人身事故件数・自転車の人身事故件数グラフ(単位:人)

■自転車事故の怖さ
警察庁が公表している全国の統計では、自転車乗用中の死亡事故のうち、約半数が頭部に致命傷を負っています。ヘルメット未着用の場合、着用している場合と比べて、致死率が約1.9倍と高くなっています。
県内の自転車乗用中の死傷者のヘルメット着用率は約24%にとどまっており、4人に1人しかヘルメットを着用していないのが現状です。
自転車を運転する際は、運転する方がヘルメットを着用することに努めなければならないのはもちろん、保護者の方などが幼児を幼児用座席に乗せるときや、幼児・児童が自転車に乗るときは、ヘルメットを着用させてください。
子どものときから、ヘルメットを着用することが当たり前になれば、安全安心につながります。

◇大切な命を守るヘルメット
最近は、スポーツタイプや帽子タイプなど、ヘルメットもたくさんの種類があります。ヘルメットは、SGマークなどの安全性を示すマークがついたものを着用しましょう。

■重大な事故につながらないように
昨年11月に、自転車の「ながら運転」や「酒気帯び運転」をする運転者に対する罰則が強化されました。「ながら運転」は、スマートフォンの画面を注視してしまい、周りの危険が見えなくなることで重大な事故につながる可能性があるため、警察も取締りに力を入れています。
来年には一定の道路交通法違反をした16歳以上の運転者を対象に、交通反則通告制度、いわゆる自転車の「青切符」制度が適用される予定です。この制度は、全国的にも自転車の悪質な違反が多くなっている現状を踏まえ、取締りを行うことで重大な事故につながるおそれのある危険行為を未然に防止することを目的にしています。また、違反を繰り返した自転車の運転者に対して、自転車運転者講習の受講が命じられることもあります。
自転車は、運転免許証がなくても乗ることができる乗り物ですが、事故に遭うと受ける被害が大きくなります。これまでに市内で発生した事故でもヘルメットを着用していれば軽傷で済んだと思われる事故も何件か見受けられました
最近は、夏用・冬用と着せ替えができるヘルメットや、おしゃれなもの、髪型がくずれないものもあります。命を守るためヘルメットを着用し、交通ルールを守って安全運転に努めていただきますようお願いします。

鈴鹿警察署交通第一課
課長 木村智晴(きむらちはる)さん