くらし 特集 まちの見守り人〜民生委員・児童委員〜つなぐつながる支え合う(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和7年5月10日号
「身近な相談相手」として、地域住民を見守っているのが民生委員・児童委員(以下、民生・児童委員)の皆さんです。支援を必要とする住民と、行政や専門機関との「つなぎ役」としての役割を担っています。市内では、現在、191人(主任児童委員16人含む)が無報酬のボランティアとして活動しています。
孤独死や認知症高齢者の増加、悪質商法被害防止への対応、そして、地域から孤立し、助けを求められない、困りごとが発見できないなど、住民の「社会的孤立」も大きな地域課題となっています。
自らも地域住民の一員として地域とつながりながら、生活上の心配ごと、困りごとなどの住民の声に耳を傾け、赤ちゃんから高齢者まで一人ひとりに寄り添い続ける――。今月は、地域の課題解決に欠かせない民生・児童委員の活動をご紹介します。
■くらしを見守る
桔梗が丘地区民生委員 児童委員協議会 会長
村田憲子さん
▽「友愛訪問」で見守り
「今月号の『陽だまり』です。また読んでくださいね」
民生・児童委員(桔が丘地区)の村田憲子さんは、自分たちで編集した福祉便りを配りながら、ひとり暮らしの高齢者宅などを訪問。世間話をしながら、変わったことや困りごとはないかを聴き取っています。
これは、「友愛訪問」という民生・児童委員の主な活動の一つ。「日頃からのお付き合いがありますので『普段と様子が違うな』という変化に気付きやすい」と村田さん。地区の民生・児童委員による毎月の定例会では、まちの保健室や社会福祉協議会の職員も同席します。
「顔なじみの職員と課題や悩みを共有することができ、事案の解決に向けて動いてくれるのですごく心強いですよね」
▽地域で顔の見える関係を
村田さんが、10年近く訪問している女性は、昨年仲の良かった夫を亡くし、すごく落ち込んでいたのだそう。「村田さんは、心から気遣ってくれているので、とっても救われています。気兼ねなく頼れる存在ですよね」とニコリ。趣味の仲間や近所の人も気にかけてくれていて、「一人になると寂しくなることもありますが、少しずつ癒えてきた」と話します。
村田さんは、約50世帯を担当。散歩中に声をかけたり、特に気にかけている人は時間をかけて話を聴いたり。「一人ひとりと関係性を築きながら、柔軟に対応しています」
現在の目標は、高齢者サロンを盛り上げること。「外出する機会は多い方がいいですし、何より、サロンを通じてお互いに顔が見える関係を広げてもらえれば。私自身、人との出会いで元気をもらっていますから」と笑顔をみせます。「私たちの役割は、暮らしを見守り、必要な支援に『つなぐ』こと」。そう語る村田さんは、“自分のできる範囲で”楽しみながら、活動を続けています。
◆桔梗が丘自治連合協議会と桔梗が丘地区民生委員児童委員協議会が共同で毎月発行している福祉便り「陽だまり」。活動の様子や地域の催しなどを掲載しているほか、まちの保健室から健康づくりのアドバイスも。訪問した高齢者宅で、記事が会話のきっかけにもなっているのだそう。
■頼れる味方です!民生・児童委員さん
桔梗が丘地区 まちの保健室
村上・湊
足腰が弱って閉じこもりがちになっている…など、本人からの相談が無くても、支援が必要な場合があります。民生・児童委員さんは、友愛訪問でこうした状況を聴き取り、私たちにつないでくれます。事前に要支援者が置かれている状況などを共有いただき、顔つなぎをしておいてもらえるのでスムーズに話が進むことが多いんですよ。地域全体で皆さんの暮らしを支えていくために、とっても頼れる味方です。