- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和7年5月10日号
■育ちを見守る
くにつつじ地区民生委員児童委員協議会 主任児童委員
北畑 維久子さん 草部豊美さん
民生・児童委員の中でも、子どもや子育て世帯の支援を専門に担当しているのが「主任児童委員」です。
名張市では16人がそれぞれの地域で活動していて、専門機関と連携しながら、民生・児童委員をサポートする役割を担っています。
そして、赤ちゃんが生まれた全ての家庭に出向く「こんにちは赤ちゃん訪問」も実施。子育てに関する相談場所や広場・サロンの紹介、予防接種や支援制度などを説明しながら顔をつなぎ、その後の支援に結びつけています。
▽「おじゃまる広場」へようこそ
「これまで、千人以上の赤ちゃんを訪問してきました」と話すのは、主任児童委員(くにつつじ地区)の草部豊美さん。訪問の際に必ず伝えているのが、“地域でいろんな人が親子を見守っている”ということ。
「『おじゃまる広場』に来てもらえると、知り合いの輪がぐんと広がり、地域の中で声をかけたり、かけてもらったり。ママさんの買い物中、広場のボランティアが子どもを抱っこしてあげている――なんていう風景もよく見られましたね」
中には、体調を崩していても、広場でのボランティア活動を続けているうちに元気を取り戻すという人もいるそうで、ボランティア最年長の原裕子さんは、「広場以外でも、『おじゃまるのおばちゃんや〜』と声をかけてくれるんですよ」とうれしそう。「支援する・される」の垣根を超えた活動になっています。
▽人のつながりの中で
草部さんは30年ほど前、知人が誰一人いない名張に転居。子育てサークルでつながりができ、子育てを楽しむようになったという経験の持ち主です。
「名張の魅力は人のつながり。私の娘は大きくなり都市部で暮らしていますが、『あちこちで知り合いに声をかけてもらえる空気感がよかったな』って。主任児童委員として大切にしているのは、親子にそんなつながりを実感してもらうことです」
子どもと関わる様々な活動に顔を出してつながりを作っている草部さん。地縁のつながりが苦手な人には、子育てサークルを紹介することもあります。
「まさに、私はつなぎ役。初めは自分で『あれもこれも』と頑張ってきたけれど、地域の人のつながりの中で子育てを支えていけるといいですよね」
一方で、次の世代に支援のバトンをつないでいくことが課題となっています。「私が委員になった頃に訪問した赤ちゃんも、今年、中学校を卒業しました。子どもの成長を見守っていけるのが、活動の大きなやりがい。今後も続けていきたいと考えていますが、地域のつながりを持続していけるよう、これからは後進を応援していきたい」と笑顔で語ってくれました。
◆身近な集会所で、小さい子もゆったり過ごせる「きになるサロン」。誰もが気になってここに来たいと思える居場所を目指す。こちらのサロンも「おじゃまる広場」のボランティアが中心となって運営。最年長の原裕子さん(左奧)は、「子どもたちに元気をもらっている」とニコリ。
◆つつじが丘市民センターで、月2回開催される子育て広場「おじゃまる広場」。親子で遊んだり、ママ友やボランティアと情報交換したりと、親子のほっとできる居場所となっている。
◆広場は、主任児童委員の2人をはじめ、30人ほどのボランティアで運営。元民生・児童委員、運営スタッフに誘われた人、参加者からサポート側に加わった人などさまざま。くにつつじ地区の民生・児童委員も準備などをサポートしている。広場を核として、地域や小中学校の活動とも連携し、利用者や支援者の輪が広がり、子どもたちを見守る活動が地域の様々な場面で繰り広げられている。
■地域に見守られてすごく心強いです
宮﨑扶貴子さん、碧士(あおと)くん
結婚してから、つつじが丘に移り住んできました。知り合いもいなくて不安でしたが、「こんにちは赤ちゃん訪問」で草部さんと出会い、「おじゃまる広場」を紹介してもらいました。同世代の子どもがいるママたちとも仲良くなれましたし、これまで子育てに対して深刻に悩んだことはなかったかな。
ボランティアさんやママ友など、地域の中に顔なじみがいれば、なんだか見守られている感じがして、すごく心強いですね。