くらし 特集(2) 野生動物から農作物を守れ!(2)

■自分の農地は自分で守る意識が大切
獣害対策は、「自分たちで作る農作物は自分たちで守る」ことが原則。一人ひとりが自ら積極的に対策していくことが大切です。ただ、個人の対策だけでは限界があります。より効率的で効果の高い獣害対策に向けて、地域全体で力を合わせて、総合的・継続的に取り組んでいかなければなりません。「獣害対策の3本柱」に基づいて、市のサポートなども活用いただきながら、地域全体を「加害鳥獣にとって行きたくない場所」にしていきましょう。

▽気付かないうちに破られてない?
侵入防止柵の適切な管理を
きちんと囲っているつもりでも、気付かないうちに柵に穴が開いていたりして、効果がなくなっている場合が!設置後も適切な管理が必要です。
!大規模防護柵の資材を支給(団体対象)
!侵入防止柵設置費用の一部を補助

▽集落を「怖い場所」にしよう!
サル対策には「追い払い」
サルに有効なのが「追い払い」。ただし、被害があった時や各々の農地だけで行っていると、追い払いに慣れたサルを育てることになる可能性も。効果的な追い払いには、集落全体で継続的に行うことが大切です。
!サルの出没地域にロケット花火を支給

▽無意識に餌付けしてない?
「エサ場」を作らない
放任果樹や稲のひこばえ(稲刈り後の株から生える若芽)、収穫後に残る茎や野菜くずなどが、いつの間にかエサに……。「被害にはならないから」と対策しないと、農地が「エサ場」と認識されてしまいます。収穫後もきちんと対策を!
!カキ・クリの木の伐採費の一部を補助

▽農地への安全なルートはない?
動物の潜み場所をなくそう
適切に管理されていない籔や森林が農地の周辺にあると、野生動物が人に姿をさらすことなく農地に近づける環境を提供していることになります。動物の潜み場所にならないように、農地周辺の籔や森林は適切に管理しましょう。

▽地域でもハンター育成を!
農地周辺でもわなで捕獲を
獣害対策には、実際に被害をもたらしている個体を捕獲することも重要です。わなが効果的ですが、設置には狩猟免許が必要。免許の取得やわなの設置には、費用や時間がかかります。地域でサポートしながら、ハンターを育成していくことも大切です。
!宇陀・名張地域鳥獣害防止広域対策協議会で、狩猟者育成プログラムを実施
!有害捕獲活動期間内の捕獲頭数に応じて捕獲活動経費を支給

補助金額や申込方法など、詳しくは市役所4階農林資源室(【電話】63-7625)にお問い合わせください。
※すでに定員や予算上限に達している場合があります。ご了承ください。

■獣害対策は、地域みんなで農地を守る意識が大切
名張市猟友会 垣本佳之 会長
世間では「猟友会場:駆除をする人たち」というイメージがありますが、それは大きな誤解。もちろん、地域の役に立ちたいという思いで、仕事や用事の合間を縫って、ボランティアの気持ちで有害捕獲活動に協力していますが、私たちは趣味の延長で地域に協力しているに過ぎません。狩猟は一歩間違えれば人の命を奪いかねない危険なものです。ハンターは、狩猟税や保険などのお金や労力をかけて活動しています。
実際のところ、猟友会が主体の有害鳥獣捕獲には限界が来ていると感じています。市や地域でしっかり予算を割いて、有害鳥獣捕獲を業者に委託することなどを、将来的には検討していくべきだと思います。
獣害対策は、猟友会まかせにせず地域全体で取り組むべき課題だと考えています。地域の皆さんには、猟友会が有害捕獲活動をしやすいように、田畑の周辺や林道の維持管理をお願いします。また、有害捕獲活動においてご迷惑をおかけすることもありますが、ご協力をお願いします。

問合せ:農林資源室
【電話】63-7625