子育て [特集]輪内中学校の生徒と尾鷲中学校の生徒が、広報おわせの記事を作成しました!(2)

■DOHO(どうほう)style(スタイル)
~肥料を使わない農業!?~
株式会社グリーングラスの代表取締役、道法(どうほう)正徳(まさのり)氏が提唱する「DOHOスタイル」は、枝を垂直にし、葉を縛ることで植物のホルモンに刺激を促うながし、植物を育てる独自の農法です。この農法の特徴は、化学肥料を一切使用せず、自然の力を最大限に活かして作物を育てるという点にあります。
私たち輪内中学校2年生は、DOHOスタイルをとり入れ、昨年に引き続き、三木里町にある庄司(しょうじ)和稔(かずとし)さんの「Shoji(しょうじ)紀(き)Farm(ふぁーむ)」の畑の一部をお借りし、サツマイモ、スイカ、ナス、ミニトマト、トウガラシを栽培しました。通常の栽培方法に比べて、これらの作物は、驚くほどデカく育つことを期待しましたが、、、残念ながら今年は獣害の被害を受け、作物が育つ前に動物たちに食べられてしまい、収穫を迎えることができませんでした。
DOHOスタイルは、育った作物に高い付加価値がつきます。肥料を一切使わず、地球にやさしく、野菜などの作物が大きく育ちます。そのため来年は、しっかり獣害対策をすればいいなと思いました。

◇肥料を使わない理由
DOHOスタイルでは、肥料を使いませんが、なぜ肥料を使わないのでしょうか?それは、味が悪くなったり、一酸化二窒素(いっさんかにちっそ)と言う温室効果ガスが発生したりしてしまう可能性があるからです。
一酸化二窒素の温室効果は二酸化炭素の約300倍です。

◇輪内中学校での農業
学校でも私たち2年生は、技術の授業で植物の栽培についての学習を行い、学校の畑で野菜の苗を植え育てました。学校の畑で育てたのは、千両ナス、白ナス、キュウリ、オクラ、トウガラシ、トウモロコシ、ラディッシュ、リーフレタス、ニンジンです。
三木里町の畑と同様、今年はサルやシカ、カラスなどの獣害の被害に遭い、畑を荒らされるだけでなく、苗や育った野菜を食べられたりしました。獣害の被害に遭ってから、庄司さんや尾鷲市水産農林課の田部井(たべい)さんの力も借りながら獣害対策をしました。作物の周りにネットを設置したり、畑の周りをフェンスで囲ったり、できる限りの対策をしましたが、それでも、その隙間を狙って動物たちに野菜などを食べられたりしました。
当初の予定より少ししか収穫できませんでしたが、収穫できた野菜は給食のカレーやサラダでおいしく食べることができました。

文責:輪内中学校2年生6人

■せや、尾鷲にいこらい
◆尾鷲の誇り漁業
本市では、漁業が盛んです。漁業生産量の5割を定置網が、3割を養殖が占めています。

◇定置網
潮の流れに沿って泳いできた魚が障害物を避けるために沖へと進む方向を変える習性を使って網に誘導することです。資源にやさしく、季節ごとにいろいろな魚が取れます。ですが、取れる魚が選べないので価値が低いと儲からないことがあります。
本市は急峻なリアス海岸です。水深が急に深くなる地形は絶好の魚の通り道になっています。

◇養殖
海や河川などで生け簀(す)や養殖地を利用して出荷できるサイズまで育てる漁業です。本市では、マダイ、シマアジ、マハタなどが主に生産されています。また、過去、マダイの生産が日本一位でした!
〔尾鷲市生産ランキング〕
1位 マダイ
2位 マハタ
3位 シマアジ

◆梶賀のあぶり
梶賀のあぶりとは、尾鷲市梶賀町で生産される、小型の魚を燻製(くんせい)にした保存食で、100年以上の歴史があります。定置網で取れた魚を使用し、季節によって、いろいろな種類があります。4月から6月にかけて多く取れる小鯖(こさば)は大人気で、他にも、タカベ、ムツ、カマスなどがあります。
あぶり作りを教えてくれた浜中(はまなか)倫代(つねよ)さんは、44年、この仕事をやっていて、「魚が出て来たら、ワクワクする」「あぶりを作るのが大好き」と楽しそうに話してくれました。出来立てのあぶりはとても美味しくて、味が濃く、やみつきになります!

~振り返り~
ふるさとキャリア学習で、いろいろなことを体験し、たくさんのことを学ぶことができました。私たちにとって、普段体験することのできないことばかりで、とても貴重な機会となりました。
私たち3年生は、魅力体験ツアーでの、櫓漕(ろこ)ぎ・あぶり体験と魚捌(さば)き体験をしました。そこで、尾鷲の海や山の豊かさ、地域の方々の温かさを改めて感じることができました。これからも、大好きな尾鷲について知っていきたいです。

文責:輪内中学校3年生7人