くらし 戦後80年未来へつなぐ平和のバトン

戦後80年という節目を迎え、戦争体験者に直接お話を伺える機会は年々少なくなってきている今、次の世代へ平和の大切さを伝える取り組みとして、各学校では戦争や平和について学ぶ授業が行われています。今回は安楽島小学校4年生国語の授業の様子を紹介します。

■平和への願いを込めて~『一つの花』を通して考える命の大切さ~
4年生の国語の授業では『一つの花』の学習を通して、平和について考えました。戦時中の厳しい暮らしや、家族の愛情、そして命の尊さが描かれたこの物語を読むことで、子どもたちは「戦争がもたらすもの」や「大切な人と過ごせる日常のありがたさ」について、深く考えることができました。

■戦時中の子どもたちの姿から
この授業の導入では、当時の子どもたちが疎開する様子や食べていたものなど暮らしの様子がわかる写真や動画を見ました。防空壕に避難する様子、焼け野原になった町の様子を子どもたちは真剣な表情で見入っていました。
▽子どもたちの感想
・いつも安心できなくて、とてもこわい思いをしていたと思う。
・今当たり前に給食もあるし家でのごはんも出てくる。身に着けるものや服も今は好きなものが選べる。ありがとうと思って感謝して使いたい。
・戦争のころを生きてなかったからわからないけど、いっぱい苦しいことがあったと思う。だから自分はがんばって生きる。

■当たり前は当たり前じゃない
この物語は戦時中を生きた家族の姿を通して「平和とは何か」を考えるきっかけを子どもたちにくれました。
学習のまとめとして6月23日の「沖縄慰霊の日」に沖縄の小学生が読んだ『平和の詩』の映像を見て、改めて戦争の悲惨さや命の大切さについて考えました。
「毎日ごはんが食べられること」「家族と一緒に過ごせること」「学校に通って勉強できること」など、普段何気なく過ごしている日常こそが「平和」であるという気づきが生まれました。

▽あなたにとっての平和とは?
・戦争がないこと
・家族や友だちがいること
・学校へ毎日行けること
・友だちと仲良く遊ぶこと
・人のことを気にできること
・自分や家族、友だちみんなが楽しく元気で生きていること
・怒ったり喜んだり泣いたり笑ったりできること
・「また明日」「またあとで」「また今度」が言えること

■最後に
子どもたちからは「当たり前のように過ごせている毎日に感謝したい」「これからも平和を大切にしていきたい」といった声が多く聞かれ、平和について真剣に向き合う姿が見られました。
4年生担任の野嶋瑞葉先生は「この授業を通して、子どもたちにとって当たり前だったことが当たり前じゃないということに気づき考えることができた、とても貴重な時間になった。自分自身も子どもたちとともに平和について考え、思いを巡らせることができた」と話していました。
未来を担う子どもたちが、こうして平和の尊さに気づき、感謝の気持ちを育んでいることは、大人にとっても大切なメッセージです。
「あなたにとっての平和とは?」
当たり前に過ぎていく毎日。けれど、ふと立ち止まって考えてみてください。
その平和の中に、きっと思い浮かぶ人がいるはずです。その人たちへ「ありがとう」の気持ちを伝えてみませんか。
平和は、感謝と優しさから広がっていきます。

問合せ:教育委員会学校教育課
【電話】25-1265