子育て 地域のみんなが集まる居場所 こども食堂(2)

■運営者の想い
運営者の皆さんに、これまでの活動を通して、こども食堂への想いややりがいを聞きました。

◇楽しみの会(大安町高柳)
瀬古峰子さん 小林眞智子さん 伊藤みや子さん
▽何か地域に貢献できることを
コロナ禍で世間に元気がなかった時期に、「地域のために何かやりたいな」と考えていました。ちょうどその時に社協からこども食堂の話をいただき、当時大安町にはこども食堂はなかったこともあり、「楽しみの会」を始めました。子どもだけでなく、大人や参加してくれたスタッフみんなが楽しめるようにと願いをこめて、この名前にしました。最初のメンバーは3人でしたが、今では24人まで増えました。
また、活動では学生ボランティアも参加してくれたり、地元の農家や企業が食材を提供してくれたりと、たくさんの人の支えがあって活動できています。
▽みんなが楽しい活動がしたい
活動は2カ月に1回行っています。夏祭りやハロウィン、クリスマス会など季節に応じた楽しいイベントを企画して、食事以外でも楽しめるような場所を作っています。活動の後は反省会を行い、次のイベントがより良くなるようにとみんなで意見を出し合っています。
活動を通じて、「楽しかった」「おいしかった」の声を聞くのが本当にうれしいです。子どもだけでなく、親からもそういった声をいただけるので、次の企画を考えるのにやる気があふれてきます。最近は、スタッフさんの子どもも積極的に手伝ってくれるので、とても頼りにしています。
楽しみの会の活動は、当日の調理だけでなく、イベントの飾りつけなど、事前にも活動することが多いのですが、「活動日数が多いと、張り合いあるわ」と参加してくれるスタッフさんが楽しんでいるのもうれしいことですね。

◇しらゆり食堂(員弁町笠田新田)
多湖登世子さん 谷口キミ代さん
▽家庭の味を届けたい
母子寡婦福祉会の活動が基本のしらゆり食堂ですが、社協から「こども食堂をやってみないか」と話をいただき、当時員弁町にこども食堂はなかったので、とりあえずやってみようと始めました。
私たちは、「家庭の味を届ける」をモットーに料理を提供しています。買った惣菜や冷凍食品もいいですが、手作りの味を子どもたちに伝えていけたらなと思っています。それを食べた子どもが親に「作ってほしい」と伝えることで、その家庭でも手作りの味が生まれ、「食育」にもつながります。
1回の提供で、50食用意するのですが、それ以上にお客さんが来てくれるのはうれしい悲鳴です。活動が広まっている証拠ですね。
献立は食べてもらう人が喜んでもらえるように、知恵を出し合いながら考えています。昔懐かしい味が子どもたちの心の中に残ることを願っています。

◇かさまっこ食堂(大安町笠間地区)
▽支え合いを大切に
岡本典子さん
「両親が働いていて、家で一人ぼっち」、「かまってほしいけど、うまく話せない」、そんな子どもたちの居場所を作りたくてこども食堂を始めました。5人の役員とボランティアの方々で食堂を運営しています。食堂を始めて感じたのが、大変な活動なのにみんな嫌な顔せず楽しそうに取り組んでくれていることです。「この調理器具、家にあるから持ってくるわ!」「チラシをコピーするならうちのやつ使って!」など、少ない予算の中みんなで協力しあって運営しています。こういったメンバーの声に助けられていて、本当に感謝しています。
活動を通して、子どもたちには、おいしく食べてもらうのはもちろんですが、大人が一生懸命支え合いながら働いている姿を見て、いろいろ学んでもらえたらうれしいなと思います。
現在南金井を中心に活動をしていますが、他の地域にも回って食事を届けたいと思っています。子どもたちはもちろん、地域の方々も来てみんなでふれあってもらえたらうれしいです。