- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県伊賀市
- 広報紙名 : 広報いが 2025年3月号
3月になり、ようやく暖かくなってきましたね。ひな祭り、お彼岸、卒業式など多くの行事を控えている人もいるのではないでしょうか。
芭蕉さんは、元禄元(1688)年、45歳のとき、2月18日の父親の三十三回忌法要にあわせて伊賀へ帰ってきて、約1カ月間滞在します。
この3月には、芭蕉さんが若き日に仕えていた藤堂新七郎家の花見の招待をうけ、句を詠んでいます。このとき招待したのは、かつて主人であった良忠の息子良長で、探丸(たんがん)という俳号を用いて俳句に親しんでいました。そこで芭蕉が詠んだ、
さまざまの事おもひ出す桜かな
という句に対して、探丸は、
春の日はやく筆に暮れ行く
と詠み添えたとされ、「さまざまの」の句は、伊賀にとって大切な句の一つとなりました。
他にも、この3月には、土芳の蓑虫庵を訪れたり、門人風麦(ふうばく)の家で句会に参加したり、薬師寺月並初会に参加しており、伊賀を出る19日までを多忙に過ごしました。芭蕉さんは、ふるさと伊賀で人々と俳句を楽しみ、また次の旅へと向かったのでした。
◆冬の企画展「俳諧の歴史と芭蕉」開催中
3月9日(日)まで
◆ギャラリートーク
3月2日(日)午後1時30分~(要入館料)
問合せ:
・文化振興課【電話】22-9621【FAX】22-9619
・芭蕉翁記念館【電話】21-2219