- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県野洲市
- 広報紙名 : 広報やす 令和7年10月1日号
■「琵琶湖の宝石」ビワマス
○ビワマスとは?
琵琶湖には、ビワマスというサケ科の魚がいます。悠々と泳ぐ姿は美しく、「琵琶湖の宝石」と言われています。稚魚は川で生まれ、琵琶湖に下ります。そして3~4年後、産卵のために生まれた川に戻ってくる習性があり、ぼろぼろになりながら命がけで川を上る姿は、現代社会に生きる私たちに、「命を繋ぐ姿とは何か、生きるとは何か」を訴えかけているように感じます。
滋賀県ではなじみのあるビワマスですが、長年アマゴの一種とされ、琵琶湖の固有種であることは学術的には認められていませんでした。しかし、今年の6月に、長年ビワマスを研究してきた研究者らによって正式に琵琶湖の固有種であることが発表され、「オンコリンカス・ビワエンシス」という学名がつきました。
○野洲市での取り組み
ビワマスを川に取り戻そうと、市では2015年に市民・事業所・行政・関係機関による「家棟川・童子川・中ノ池川にビワマスを戻すプロジェクト」を結成し、今日に至るまでビワマスの保全のために活動してきました。活動のかいもあり、川にはビワマスが遡上するための魚道が設置され、昨年は約40尾の遡上が確認されました。野洲市の自然を守ろうと活動してきた市民や関係する皆さんの10年間の努力の賜物と言えるでしょう。
○野洲市では市街地でも遡上が見られます!
ビワマスは戦後の乱獲や河川改修、高度経済成長時の水質汚染等で数を減らし、今では準絶滅危惧種に分類されます。野洲市は、市街地でビワマスの遡上が見られる県内でも珍しい地域です。今後も野洲市の豊かな自然を大切にしましょう。
プロジェクトでは現在、「ビワマス調査隊」を募集しています。毎年10~12月にかけて、通勤・通学・散歩の途中に川を見て、ビワマスの有無を調査していただきます。スマホアプリ「LINE」で報告し、他の調査隊メンバーと情報共有する簡単で楽しい活動です。関心のある人は、10月14日(火)までに環境課へご連絡ください。
問い合わせ:環境課
【電話】587-6003【FAX】587-3834