くらし 特集 その119番通報は緊急ですか? 命をつなぐ119(2)

◆目の前で突然人が倒れたらあなたはどうしますか?
もし意識がなかったら、大けがをしていたら、あなたの行動で命を救うことができるかもしれません。
「誰かが助けにいくだろう」「誰かが救急車を呼んでくれるだろう」。その一瞬が命を左右します。

あなたは119番通報をしたことがありますか。多くの人は一生に一度あるかないかではないでしょうか。
119番通報をする多くの人は冷静さを失っています。「救急車!救急車!」「早く来て」だけでは出動することができません。1秒でも早く出動させるためには皆さんからの正確な通報が必要です。
もしものときは通信指令員(オペレーター)が聞く内容に落ち着いて答えてください。

《こんなときはためらわず119番通報》
・意識がない・朦朧(もうろう)としている
・痙攣(けいれん)がとまらない
・大量の出血・広範囲のやけどがある
・冷や汗を伴うような強い吐き気がある
・物を喉につまらせた
・交通事故にあった
・溺れている

▽知れば安心正しい119
「火事ですか?救急ですか?」
→「救急です」

「救急車の向かう場所を教えてください」
〈ポイント〉向かう場所が分かった時点で救急車が向かっていますので、安心してください。
→「久御山町○○○○○です」
〈ポイント〉住所が分からなければ、近くの建物やお店を教えてください。

「意識はありますか?どんな状況ですか?」
→「60代くらいの男性で意識はありません」

「あなたの名前と電話番号を教えてください。」
〈ポイント〉折り返し電話をすることがありますので、携帯電話は繋がる状態にしておいてください。

▽社会復帰率に違い
心臓が止まると、命が助かる可能性や社会復帰できる可能性が時間とともに減っていきます。
しかし、そばに居合わせた人が心肺蘇生や電気ショックを行った場合、何もしなかった時と比べて、救命の可能性が随分高くなります。
救急隊が到着するまでAEDが使用されなかったときの1か月後の社会復帰率は18.6パーセントでしたが、救急隊が到着するまでにAEDを使用したときは2・4倍の43.9パーセントでした。
傷病者の命を救うためには、そばに居合わせた人が救命措置を行うことが大切です。

◇いざというときの心肺蘇生法 and AED
1 反応を確認
自分の安全・周囲の安全を確認したうえで、「大丈夫ですか」と大きな声で呼びかけます。
2 助けを求める
大声で応援を求め、協力者に「救急車を呼んで」、「AEDを持ってきて」と具体的に依頼します。
3 呼吸を確認
胸と腹の上がり下がりをみて、普段通りの呼吸をしているかを確認します。
4 胸骨圧迫
呼吸がなければ、胸骨圧迫をします。両肘を伸ばし、真上から垂直にしっかり圧迫します。(1分間に100~120回)
5 パッド貼付け
AEDを開けると音声メッセージが流れるので、指示に従い、パットを貼ってください。
6 AEDを使用
ボタンを押すときは、必ず傷病者から離れ、誰も触れていないことを確認してください。電気ショックを行ったら、胸骨圧迫を再開してください。

《ご存知ですか?町内の全てのコンビニにAEDを設置しています》
久御山町内の全てのコンビニエンスストアにAEDを設置しています。
いざという時に近くにコンビニエンスストアがあれば、迷わず持ち出して使用してください。

◇救急救命士 横田雄志(よこたゆうし)
心停止を早く認識するためには、突然倒れた人や反応のない人を見たら、直ちに心停止を疑うことが大切です。
反応の有無に迷ったときでも勇気を出して大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼し、救急隊が傷病者のもとに少しでも早く到着できるよう協力をお願いします。
救命処置のやり方がわからなくても119番通報の電話を通じてやり方を指導することができますので、あせらず、通信指令員の問い合わせに応じてください。
いざという時に誰もが助け合える、そんな社会を一緒につくっていきましょう。