くらし 人権の窓[284]成年後見制度

■成年後見制度とは
認知症や知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が不十分なために、財産管理や身上保護などを行うことが難しい人や、不利益な契約を結び、悪徳商法の被害に遭うおそれのある人について、本人の権利を守るために選任された成年後見人等により、本人を法律的に支援する制度です。

■任意後見制度とは
判断能力が十分あるうちに、あらかじめ任意後見人を選び、判断能力が低下したときに支援してもらいたいことを契約で決めておく制度です。判断能力が低下し、支援が必要となったとき、契約の効力が生まれます。公証人の作成する公正証書によって締結します。

■法定後見制度とは
判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所によって後見人等が選ばれる制度です。親族が選ばれることもありますが、必要とする支援の内容によっては専門職(弁護士や司法書士など)が選ばれることもあります。必要以上に本人の意思や行動を制限することがないよう、本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の種類に分けられ、支援する内容を決定します。

■安心して暮らすために
成年後見制度が始まった平成12年度は全国で9,007件だった申し立てが、令和6年には41,841件になり、徐々に周知されてきたことやその必要性が表れています。また、制度利用者のうち認知症の人が61.9%を占めています。今後、認知症を発症する高齢者は増加していく推計もあり、成年後見制度の利用も更なる増加が見込まれています。後見人が選任されると「できることが制限されてしまう」「財産を取り上げられてしまう」と思われがちですが、あくまでも本人のできる限りの能力を活用し、自己決定の意思を尊重した支援を行います。
その人らしく安心して生活を続けるために、本人の財産と権利を守るための制度が、成年後見制度です。

問合せ:
人権・男女共同参画課人権推進担当【電話】429-9833【FAX】441-2536
福祉政策課地域福祉推進担当【電話】423-9467【FAX】423-8686