くらし 【クローズアップ】特殊詐欺からお金を守る暮らし方(2)

■特殊詐欺から身を守る4つの習慣

〔自宅で〕
◆電話はとにかく出ない
『出ないことへのためらいを捨てよう』
かつては、電話が掛かってきたら、すぐに出ることが当たり前でした。その習慣に慣れている人の中には、電話に出ないことは「相手に失礼」「大切な話だったら‥」といった不安感、抵抗感を抱く人もいます。
しかし、ためらいは捨ててください。犯人はだましのプロです。会話をするとだまされてしまいます。家にいるときも留守番電話に設定し、知らない番号からの電話には出ないようにしましょう。
警察官をかたる手口もあります。高齢者だけでなく、20代などの若い世代の被害も年々増加しているため、あらゆる世代で注意が必要です。

まずは留守番電話から対策を始めよう
自宅でできる対策は本紙14・15ページへ

▽それでも不審な電話に出てしまったら?
・相手と会話をせず、すぐに切りましょう
・一人で悩まず、まずは警察や窓口に相談を

◆SMS・メールをクリックしない
『メッセージはまず疑う』
ショートメッセージ(SMS)やメールを使った架空料金請求詐欺の被害も深刻です。有料サイトなどについて「未払いの料金があります。今日中に払わなければ裁判」などとうその情報で脅してくる手口です。慌ててURLをクリックしたり、知らない番号に電話をしたりしないよう、普段から注意してください。

▽覚えておこう
・SMSやメールは偽物かもしれないと思って読む
・記載されたURLはクリックせずに、公式サイトやアプリから確認

宅配会社を名乗り「荷物を持ち帰りました」などのメッセージで、本物そっくりの偽サイトに誘導して、カード情報などを盗み取るフィッシング詐欺にも注意しよう。

〔まちで〕
◆地域で人と関わり合う
『詐欺を防ぐアンテナを増やそう』
詐欺について知っているつもりでも、日常生活では忘れがち。ご近所との会話や趣味の集まりなど、どんな機会でも構いません。地域で人と交流する時間を持ち、日々の会話の中で、詐欺の話題を意識して取り上げましょう。お互いに忘れないようにして「地域で詐欺を防ぐアンテナ」を増やすことが大切です。

▽これって詐欺?を聞きに来て
・土曜日も開館
郡家すこやかテラス所長 石原拓也さん
すこやかテラスは、サークル活動や図書スペースなど、60歳以上の人が気軽に利用できる施設です。「特殊詐欺被害防止施設サポーター」に認定されているので「変な電話が掛かってきた」など不安なことがあれば、スタッフに気軽に尋ねてください。

◆ATMやコンビニへの誘導は詐欺
『他人の指示で行かない・買わない』
公的機関や企業が、電話で市民にATMの操作や、コンビニでプリペイドカードの購入を指示することは絶対にありません。ATMやコンビニに誘導された時点で「詐欺」と思いましょう。
犯人は、あなたの個人情報などを把握した上で電話を掛けてくることもありますが、信用してはいけません。

通話しながらATMを操作する人を見かけたら、優しく声を掛けるか、近くのスタッフに相談しよう。

▽お金の話が出たらまずは詐欺を疑って
・金融機関も被害防止に協力
高槻若松郵便局 局長 森茂弘さん
郵便局窓口では、警察の要請で高齢者を対象に出金目的などを確認するアンケートを実施しています。犯人から「絶対話してはいけない」と指示されていたり、気が動転したりしていて、アンケートに答えていただけないこともあります。そういった場合でも、警察の防犯講習会に参加し知識がありますので、状況によっては、警察に通報するなどの対応を行い、被害防止に努めています。アンケートはお客様の大切なお金を守るためのもの。ご協力をお願いします。

■絶対に教えないで
○口座の番号と暗証番号
○固定電話やSMSに届く、2段階認証の認証番号
金融機関や市役所、警察がこれらを尋ねたり、紙に書かせたりすることは絶対にありません

■府条例改正 高齢者のATM操作の規制強化など
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特殊詐欺被害防止を目的に、大阪府安全なまちづくり条例が一部改正され、以下について義務になります。
(1)65歳以上の人は通話しながらATMを操作できない(8/1~)
(2)3年間、ATM振込がない70歳以上の人の振込上限額が1日100,000円以下に(10/1~)
(3)50,000円以上の電子マネーを購入するときは、事業者(販売員)の確認に応じる(8/1~)