くらし 【連載】地域で輝く人に聞く「SUNだなヒト。」File_30
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- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県三田市
- 広報紙名 : 広報さんだ 令和7年4月1日号
■3年間、全部やりきった!自信を胸に夢に向かって羽ばたく
兵庫県立有馬高等学校 人と自然科(7年3月卒業) 二川翔大さん(Shoudai Nikawa) 母子
「『母ちゃん、また来とうで』今朝も玄関を開けると、野生のシカが登校する私を見送ってくれます」―二川翔大(にかわしょうだい)さんの発表は驚きの情景から始まった。二川さんは、昨年10月に岩手県で開催された第75回日本学校農業クラブ全国大会の意見発表会に近畿地区代表として出場。冒頭の一節から始まる『里山の中で生きる~カブトムシとともに~』を発表した。二川さんの地元・母もうし子地区における、地域資源である竹などの間伐材とカブトムシを使った循環型の里山保全の仕組みづくりについての研究をまとめたものだ。幼少期から母子地区で育ち「地元が大好き」という二川さん。「周りの人がみんな温かくて、小さなコミュニティーの中で見守られているのを感じます。生き物や自然が好きなので、豊かな里山に囲まれているところも好きで。母子にしかない生態系やお茶などの農産物があるのがいいんです。ちょっと不便に思うこともあるけど、そんなところも含めていいなと思います」と魅力を語る表情は誇らしげだ。
「大切なふるさと、母子の里山を守りたい」―将来の夢が決まったのは中学生の時。その実現に最適な進学先を求め、オープンハイスクールを回った。そして選んだのが兵庫県立有馬高等学校人と自然科。決め手は、「環境保全」について学べる数少ない学校であることだった。
実際に学んだ3年間を振り返り、二川さんは「自分がしたいと決めたことを先生が支えてくれ、全力で頑張れました」と感謝を語る。友人にも恵まれ、特に研究を共に行った友人2人については「意見がぶつかってけんかもしたけど、おかげで高め合い素晴らしい研究になった。完成したときにはみんなで『やったー!』って感じで、達成感も大きかった」と話しながら、当時のよろこびがよみがえったようだった。「授業も研究も部活も、大変だったけど全部やり切りました」と心からの笑顔を見せた。
この春、二川さんは大学で新たな挑戦を始める。「将来はまだ分からないけど、必ずふるさとを守る仕事をしたい」と瞳に決意を宿す。夢に向かい飛翔は続く。
■研究・発表をサポートした先生 長光雅実(ながみつまさみ)さん
興味・関心が高く、何事にも全力で挑戦する頑張り屋。普段の姿から地元が大好きなことが伝わってきます。将来、学んだことを生かし活躍すると信じています。