くらし 議会だより 第2回 定例会(2)

◇企業誘致について、どのような業種あるいは規模の企業を対象に誘致を進めますか。また、企業への補助金や広告、プロモーションなど、どのように行いますか。(植村京平議員)

〔答弁〕
村民から「村外に住む子供に帰って来てほしいけれども村で働きたい仕事がない」という声をお聞きしました。
令和5年度から2年間で村内の公共施設が多く解体され、跡地利用が計画されていない所も残っています。その跡地の活用方法が重要と考え、企業を村外から誘致することはできないかと考えました。
企業誘致を進めることで、Uターンや移住者の増加、村税増収も見込まれます。職種としては、製造業やIT系などを考えていますが、実施にはニーズの調査を行いながら検討していきたいと考えています。
また、整備にあたっての補助金について、まず、インフラ整備は村で整備しなければならない事情があれば村が整備することも必要と考えますが、基本的には企業自身で整備していただくことを想定しています。施設や設備の整備に対する補助制度についても、まずは既存の制度を活用できるようにしたいと考えています。一方で施設等の設置のために貸し出す土地の使用料については、初期投資の負担を軽減するため5年程度の減額を行うことも検討していきたいと思います。
また、奈良県でも企業立地が推進されており、補助制度や税制の優遇措置などが利用できます。本村でも過疎地域における税制優遇措置がありますので、条件はありますが、製造業や旅館業、農林水産物等販売業、情報サービス業の固定資産税の課税免除を行うことができます。このように企業誘致には、奈良県の協力もいただきながら進めたいと思います。
また、プロモーションについても、場所や誘致にあたっての職種など条件が固まれば、自ら先頭に立ち進めていきたいと思います。

◇村の林業政策について、これからの展望を伺います。(松葉正久議員)

〔答弁〕
村の基幹産業は、林業だと強く思っています。村の面積に占める森林面積は96%、約6万4000ヘクタールもあり、その中で村有林も5000ヘクタールほどあります。林業をしっかりとしていくことで、雇用も当然ですが、やはり山を守っていく必要もあると思います。14年前、紀伊半島大水害により、大きな山林崩壊、土砂崩れ等がありました。山を守っていくことで国土を守っていくという大切な責務が、この山間地域にはあると思っています。それを進めるためには、まず、林業の六次産業化の見直しも含めて、人材育成をしっかりしていきたいと思います。林業に携わる人がいなくなると、たくさんの山と財源があったとしても、林業ができなくなってしまいます。山があっても作業ができない事態に陥らないように、5年後、10年後の将来をしっかり見据えながら、まずは林業従事者の育成に務め、最終的には、山主にお金が返るような方策をしっかりと考え、取り組んでいきたいと思っています。

◇令和8年度に向け、新村長として予算を組むことになります。公約の実現にあたっては相当な予算が必要と思われるが、財源確保の見通しはどのようなものか。(中嶋大樹議員)

〔答弁〕
個別の財源を考えると、まず国や県の補助金、今だと空き家対策総合支援事業、また、地方創生に係る交付金が新しくできており、新しい地方経済・生活環境創生交付金、また、起債も有利な起債があります。それらをしっかりと活用したいと考えています。林業については、森林環境譲与税の使い道をしっかりと決めていきたいと考えます。
また、民間の事業でJ―クレジット制度があります。適切な森林管理を行うことで、CO2の吸収量をクレジットとして国が認証を行う制度です。自治体等が国からクレジットの認証を受け森林整備を行うことで、CO2の吸収量が増加します。その分をクレジットとして企業が購入することで、企業としては環境貢献のPRに繋がり、自治体は森林整備の財源として活用できます。こういった民間の資金の活用もありますので、幅広く、また、国や県にもそういう補助制度がないかを確認しながら財源の確保に務めていきたいと思います。また、なかなか活用できていないふるさと納税の強化も今後の取組みとして考えていきたいと思っています。

◇村主導の住まいの整備をどのように考えていますか。また、ドクターヘリ運航は村民の命を救う重要な手段であると考えますが、人材不足等による現在の、早朝運行ができない状況をどのようにお考えですか。また、国道425号東側などの整備をどのように考えていますか。(千葉浩一議員)

〔答弁〕
住まいの整備は、空き家の活用をメインに考えています。空き家の状況を見ながら、一部を改修し、家賃も2〜3万円程度になるように考えています。例えば「もりもり住宅」(大字玉垣内)は、林業従事者用住宅として十津川村森林組合が管理しており、家賃も一般的な家に比べて安価です。このような住まいの整備も必要に応じて進めていきたいと考えています。
ドクターヘリの重要性は認識されています。ただ、調べていく中では、費用面の問題、また、人材面の課題もあることを承知しましたので、その点を踏まえながら、今後、要望をしていきたいと考えています。
国道425号小原から白谷向きの道路整備は非常に重要と考えています。森林植物公園活用の課題の一つとして道路状況の悪さがあります。また、笠捨瀞線なども一部ガードレールが無かったりします。村の東側には、瀞峡、玉置神社、空中の村という貴重なスポットがあり、これらを活用していくうえでも道路整備が重要だと考えます。地形的に対策が困難な点が多くありますが、その中でもできる部分の改良を進めていきたいと考えています。