- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県上北山村
- 広報紙名 : 広報かみきたやま 令和7年7月号(No.688)
◇岩本議員
問:鳥獣害被害の施策について
今朝からも、ご近所で畑をさわっておられた方がいましたので、何かあるんですかと尋ねたら、猿が増え過ぎて、非常にがっくりきており、畑を作るのやめましたという話を聞いてちょっと残念に思いました。現在の上北山村の喫緊の課題の一つが、鳥獣害被害に対する対策であることはもう間違いないと思います。鹿やサル、熊、最近ではハクビシンやアナグマ、西原では捨て猫が繁殖しており、我が物顔で闊歩している、役場からもサギのコロニーが見えますし、放流したアマゴやアユが鵜にさらわれてしまうということも多くなっています。
そして何より、丹精込めて育てた農作物が収穫時期が近づくとサルや鹿の被害に遭うことが増えています。随分きっちりと、囲っても最近は穴を掘って入ってくるようで、本当に対策や手の打ちようがないぐらい大変なことになっています。
こういうことが常態化しています。ニゴイやカワウの駆除、有害鳥獣駆除補助金に関しては、柔軟な対応をお願いしたところです。村内の畑はフェンスで囲わない限り収穫は見込めなくなりました。その対策として、農作物を守るためのフェンス設営が必須であり、村の補助金で対応しているというのが現状です。
一方で皆さんの手の届かない目の届かないところでも大変な事態になっています。
イタドリやフキ、タラ、ウドなども鹿の歩きにくい場所でしか見られなくなってきました。
この上北山村でゼンマイは本当に希少植物になってしまいました。幾らでも道端で見られたこれらの植物が姿を消しつつあります。
山の荒廃はさらに全くひどいものです。間伐の手入れが行き届いていないということも原因ですが、1番の原因は鹿の増加であるということは、環境省が大台ヶ原で行っている事業を見れば明らかです。
山の森の下層植物がなくなり、土があらわになり、雨が降るために表土が流れ出し、表土が失われた後は大小の石がごろごろと露出しています。
皆さんの住まいの裏山がこのような状態になっている、私たちが見てる緑の風景は、実は全くもって表面上の緑の風景だということです。
また、最近、蜜蜂や蝶々が随分減っていることに気づかれていると思います。
植物の多様性が失われたら、このような状況がますます進んでいくことになります。
このような自然環境や、私たちの生活環境の悪化の原因を取り除くことに、とにかく行政が懸命に取り組まなければならないと思います。
そこで、狩猟免許の取得や、所有者に対する助成などの仕組みをしっかりつくって、多くの村民の皆様に資格を取っていただいてはどうかと思います。銃による狩猟免許取得は余り現実的ではないかもしれませんが、危険性の少ないわな猟であれば、多くの皆さんに取得していただけるのではないでしょうか。
また、わな猟に必要な用具なども村で準備して、金銭的な負担を軽減することも有効ではないかと思います。
もう一つの提案は、行政だけではなく、村民の皆様にも協力いただいて、集落周辺の柿の実や収穫しないキウイフルーツなど、猿のえさになるようなものをよい時期に摘果して、猿を誘引する原因をなくすことも効果的だと思います。
行政と村民の皆様とが協力することで、鳥獣害対策を進めていければよいと思いますが、どのように思われますか。
答:村長
本村における鳥獣被害の問題は、近年被害の対象や地域が広がっており、農作物被害にとどまらず、自然植生の変化や景観、生態系へも影響を及ぼすなど深刻な課題となっています。
また、昨年度に実施した地区別の村政懇談会においても、各地区から鳥獣被害についての問題は噴出しており、これらの状況について、村としても、その重要性は認識しているところです。
去る3月議会においては、鳥獣害対策に関する予算執行に関しては柔軟に対応していただきたいとの要望をお受けしており、議会後には、農作物被害の対策の柱として実施してきた電気柵や防護網の設置助成事業について見直しを図り、今年度から支給上限金額を10万円から15万円に増加させていただいています。
また、イタチやハクビシンなどの小動物による被害も近年報告が増加していることに伴い、有害鳥獣の指定獣として年間捕獲を可能にする、小動物への捕獲奨励金を創設する等、上北山猟友会と連携した施策を検討してまいりたいと考えています。
森林や自然植生の影響、表土の流出や昆虫類の減少など、生態系の変化については、専門的知識を要する分野であり、国や県、関係機関・研究機関等が行う調査や対策事例も参考にしながら、引き続き情報収集を行い、村がとれる施策があれば取り組んでいきたいと考えてます。
次に、狩猟免許取得や狩猟者に対する助成についてです。
本村では狩猟免許取得に対する補助事業を行っており、要綱を制定した令和元年度以降6名の方に御利用していただいています。わなのみの方は3名です。
わな狩猟免許については、予備講習料、免許申請手数料とも100%補助で実施しています。
令和7年度は、7月6日と8月31日の2回狩猟免許試験が行われますので、少しでも多くの方に取得願えればと思います。
また、村でわな猟に必要な用具の準備をとの御提案ですが、鹿、猪用8基と猿用8基の箱罠を上北山村鳥獣被害防止対策協議会で保有しており、猟友会員に貸出しを行っています。
小動物用は、村で6基保有しており、これも必要に応じて貸出しを行っています。
担当課に確認したところ、平成28年からは、住宅敷地内や、自らが耕作している畑等において被害防止のために小型の箱罠を設置して、ハクビシン等の小動物を捕獲する場合は、狩猟免許は不要とされており、捕獲が可能ですので、村から捕獲許可を取得する必要ありません。
しかもこの場合、捕獲された個体は捕獲者自身が適切に処分する必要があるとのことです。
このことに対しては、従来村は有害鳥獣の小動物については、野ウサギとアライグマしか指定をしてこなかったため、今後ハクビシンやアナグマ等を追加するとともに、村が所有する小動物用箱罠の猟友会員以外への貸出しも検討していきたいと考えています。
最後に行政と村民が一体となった有害鳥獣対策についてですが、有害鳥獣の対策には、果樹の摘果や、緩衝帯の草刈りなどによる集落周辺環境の整備が非常に有効であると従来から言われています。電気柵や防護網の設置助成事業や狩猟免許取得補助事業とあわせて、広く村民の皆様に広報等を通じて周知してまいりたいと思います。
鳥獣被害対策には、公助だけではどうしても手の届かないところもあり、自助、共助との相互連携が必要不可欠であります。
本村の鳥獣被害を少しでも軽減させるため、行政、関係機関、村民の皆様がそれぞれの役割を担いながら、総合的に取り組んでいくことが重要ですので、引き続き皆様の御協力をちょうだいし、村一体となり進めていきたいと存じます。