- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県紀の川市
- 広報紙名 : 広報紀の川 令和7年3月号
■若者の提案をカタチに「麻生津ふるさとサミット」を開催
「地元でこんなことができたら―」、「これがあったら、もっと面白いのに―」。
そんな若者たちの思いを麻生津の将来を考える会がサポートし、イベントとして実施する「麻生津ふるさとサミット」が、昨年8月から始動しています。
▽最初の一歩 サミット始動
8月のある日、麻生津地区公民館に中学生から大学生までの若者たちが次々に集まってきました。「来てくれたんか~」「久しぶりやな~」と温かい声をかけるのは、麻生津の将来を考える会のみなさんです。
今年度、新たな試みとして始まった「麻生津ふるさとサミット」の第1回がこの日開催され、麻生津地区在住・出身の16人が参加しました。「子ども会がなくなり、地域内で子どもと大人の関わりが希薄化していた。子どもたちの思い出の中に麻生津を残したい」と上岡副会長。
サミットを企画した同会の田村隆明さんから「麻生津の魅力を付箋に書き出して」という合図が出されると、それぞれが思い思いの魅力を書き出していきました。「行事がたくさんある」「自然が豊か」といった意見に加え、「何歳になってもみんな仲が良い」「地域の人たちが優しい」など、地域の人に関する魅力も多く挙げられ、地域の魅力を再確認しました。
出された魅力を活用し、地域のために何ができるかを話し合い、2つの案が提案されました。1つ目は、動画配信アプリ「TikTok」を使用した情報発信。2つ目は、地元食材を使った料理を地域外の人に提供することです。この2つの柱を軸に、活動を進めていくことで決定しました。
▽全力ダンスで魅力発信
12月に行われた第2回のサミットでは、4月に予定しているイベントの企画を検討。第1部でスタンプラリー、第2部で子どもたちが提案した、地元食材を使用した料理で参加者をおもてなしすることで決定しました。
その後、TikTok用動画を撮影。すぐに振り付けを覚える子どもたちとは対象的に、メンバーたちは何度も何度も練習を行い、全力でダンスを踊りました。岡会長は「私たちだけでは思いつかないような発想が子どもたちにはある。この発想力とパワーを地域に生かしていきたい」と話します。
投稿した動画は、1月末時点で約4,000回再生され、麻生津の名前を全国に広めています。現在は、麻生津の将来を考える会のメンバーと若手のグループがアカウントを併用し、地域の魅力発信を続けています。
▽料理でおもてなし
第3回のサミットは、1月に開催され、おもてなし料理の試作会を実施。「おにぎり班」「おかず班」「デザート班」に分かれレシピ化を進めました。麻生津のはっさくを使用したデザートやはっさくソースを絡めた唐揚げなどのレシピが完成。イベント当日は、参加者とともに調理体験をして、考案レシピを作ります。子どもたちは「来てくれた人に麻生津のことをちょっとでもいいから知ってほしい。そして、また来たいと思ってもらえるような、おもてなしをしたい」と意気込みます。
田村さんは「イベントを通して、大人と子どもが関わりを持つことで、地域につながりが生まれる。子どもたちの中にずっと残るような思い出を一緒に作れれば」と話します。
地域を盛り上げたいと奮闘する麻生津の将来を考える会。メンバーが持つ「麻生津への愛」を伝承するための活動は今後も続いていきます
▽編集後記
取材から伝わる、地域への強い愛。この地域の最大の魅力は、なにごとにも揺るがぬ情熱で地域を愛し、その未来を真剣に考える「人」そのものなのかもしれない。
●Interview 「私たちにも、できることがある」
麻生津は人が少ないので、地域全体が家族みたいです。学校からの帰り道でも、「おかえりー」とみんな声をかけてくれます。冬に麻生津橋を渡って学校に行くのは、本当に大変ですが、麻生津に住んで嫌と感じるところはひとつもありません。サミットに参加しようと思ったきっかけは、地域を良くするために頑張っている地域の人たちを見て、自分たちも何かしたいと思ったからです。また、自分たちの意見を反映することができれば、自分たちにとってもプラスになると感じたからです。これからも地域の人たちと意見交換をしながら、麻生津を良くしていきたいです。
黒田柚葉さん・𠮷井那瑠さん
■information「麻生津ファンミーチング」を開催!
麻生津の子どもたちが提案した地元食材を使用した料理が味わえます。ぜひ、参加ください。
日時:4/13(日)10:00~13:00(9:30受付)
場所:北涌農村集落多目的集会所
参加費:1,000円
申し込み:3/1の正午以降に右記コード(本紙参照)から