- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県那智勝浦町
- 広報紙名 : 広報なちかつうら 2025年4月号
■地域活動の棚卸し
集落支援員 大西 俊介
前回「地域運営のあり方を検討」(広報9月号)では、農村RMO(農村型地域運営組織)の紹介させて頂きました。地域住民のみでこの農村RMOを推進し、組織づくりを実践していくことは容易ではありません。それでも、色川地区では少しずつではありますが、これからの地域運営のあり方について検討を重ねています。
現在早急に進めていることが「棚卸しシート」のまとめ上げの作業です。色川地区はかねてより住民の自治活動が盛んで、活動休止中の団体も含めると50近くの地域活動団体、組織、グループが立ち上がり様々な活動を展開してきました。棚田を保全する活動、農産物の出荷団体、伝統・文化を継承する活動などです。
ただ人口が減少し高齢化も進んでいく中で、活動が停滞したり休止したりするなど行き詰まることが増えてきているのが現状です。そこで、一度立ち止まって現状の棚卸しを行い、「似たような活動はないのか」「これからも続けていけるのか」などを整理していくのが良いのではないかと、各活動団体に協力して頂き「棚卸しシート」のまとめ上げの作業を進めています。
棚卸しシートには、それぞれの団体の立ち上げの思いや、これまでやってきた活動内容、現在のメンバーや活動状況、これからのビジョンや課題などを記入します。また、完成したシートを持ち寄って団体相互に共有をすることが大事だと考えており、お互いがお互いを知ることによって、人が減っていく中であってもより良い地域運営のあり方が模索できるのではないかと考えています。
今後はまとめ上げた「棚卸しシート」をもとに、各活動団体の代表者が集まる「代表者会議」の開催を予定しています。移住者の割合が地区人口の6割を超えていく中で、これまで地域がどのような思いを持って活動を行ってきたかを知る機会になると思います。そのことがすぐに農村RMOに繋がる訳ではありませんが、これからの地域運営のあり方を考える上での礎となるだろうと思われます。