健康 2人目の感染管理認定看護師となりました!

◎感染防止対策室/手術室看護科 感染管理認定看護師
加多納 文香(かたのあやか)

国をはじめ各都道府県では、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を経験し、これを踏まえた今後の医療提供体制の構築に向けた取り組みが始まりました。この方針のもと当院でも今後の新興感染症を含めた感染対策への取り組みを強化するため、感染防止対策室への専門人材を増員することとなりました。これにより、島根県立大学出雲キャンパスに開講した感染管理認定看護師教育課程を受講し、1年間感染管理を学び、昨年の認定審査に合格し当院で2人目の感染管理認定看護師となりました。
感染管理の専門家が2人体制となり、今まで以上に院内はもちろんのこと、院外での感染対策へも力を入れることができると思います。教育課程で学んだ知識や技術を発揮し感染管理業務に取り組み、雲南圏域における医療機関同士の感染管理の連携強化にも力を入れていきたいです。

■感染管理認定看護師の活動
雲南市立病院では、患者さんや職員など病院にかかわる全ての人を感染から守るために感染管理認定看護師が活動しています。入院をしている患者さんは、免疫力が低下しており感染症にかかりやすい状態にあります。このため病院内で感染症が発生すると拡大してしまう危険性があります。このような事態にならないためにも日常的に感染対策を行う必要があります。感染対策の活動は感染管理認定看護師だけでは成り立たないため、多職種と協働しながら病院全体で取り組んでいます。また、感染対策の活動は院内だけではなく院外でも行っています。介護施設などから感染対策についての相談や研修会の依頼もあり、院外での活躍の場も年々増えています。

◯院内活動
・感染対策チームによる院内各部署の巡回(感染対策の確認と指導)
・感染対策担当看護師の育成
・感染対策に関する相談対応
・職員教育

◯院外活動
・介護施設などへの感染予防対策の支援
・雲南圏域で連携している医療機関での合同会議の開催
・感染対策に関する相談対応

■冬に注意したい感染症
新型コロナウイルスの影響は生活のあらゆる場面にみられ、市民の皆さんの感染予防に対する意識がとても高まったことと思います。
一方で、冬は気温が低く、空気が乾燥しておりさまざまな感染症が流行します。感染症は1年を通して身近にあるため、皆さんの日常生活の中に手洗いなどの感染対策がすっかり浸透しているのではないでしょうか。

◯インフルエンザ
通常の風邪と比べて全身症状(筋肉痛、関節痛など)が強いことが特徴で、肺炎など重篤な合併症を引き起こすことがあり注意が必要です。症状のみで新型コロナウイルスと鑑別することは困難であるといわれています。

◯新型コロナウイルス
1年を通じて流行がみられますが、例年夏と冬に感染者が増加する傾向にあります。発熱やかぜ症状を訴える人が多いです。感染症法の5類感染症へ移行しましたが、感染力が強く後遺症が残る方もいます。

◯マイコプラズマ肺炎
昨年は、マイコプラズマ肺炎が全国的に流行し、過去最高水準で推移していました。小児や若い人の肺炎の原因として比較的多いものの一つです。例年患者として報告される人のうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。1年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります。

いずれの感染症も主な感染経路は飛沫感染と接触感染といわれています。
飛沫感染:感染した人の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことにより感染する。
接触感染:物の表面などに付着した飛沫に触れた手指を介して感染する。

マスクの着用や帰宅後・食事前の手洗いといった基本的な感染対策を意識し、この冬を乗り越えましょう。