文化 マイストーリーズ

国際交流員(CIR)スーキ・パチェコ・ジャン・ポールの異文化交流コーナー

◎Hello Unnan(ハローうんなん)!

■第47話:アメリカの「プランテーション」での違和感
今年、3年ぶりにアメリカへ帰国しました。もともと去年の予定でしたが、兄の結婚式がある今年まで待って付き添い役をしに行きました。兄も兄の奥さんもアメリカ南部のテネシー州に魅了され、綺麗な「プランテーション」で結婚式を催しました。
「プランテーション」といえば、昔は茶葉や綿を育てていた大規模な農地です。19世紀の壮大な豪邸の魅力や歴史を現在でも感じることができます。しかし、アメリカをはじめとしたさまざまな国では、悲惨な歴史が思い出されることがあります。1800年代、奴隷として捕らえられて売られた黒人がアメリカ南部にあった「プランテーション」で強制労働をさせられていました。南北戦争後、1865年6月19日に奴隷制度が終焉し、「プランテーション」で囚われていた奴隷が解放されました。
時代は流れ、現在「プランテーション」の一部の建物は記念館、ワイナリー、多目的ホールなどに改築されています。私は「そんな場所で結婚式を行うなんて」と思ってしまいました。披露宴はもちろん立派で美しかったですが、「この場所の木が喋れるなら何を語るかな」という違和感も心の隅にありました。
しかし、翌日に行ったプランテーションの歴史記念館では、展示の解説パネルで施設の痛ましい歴史を隠すことなく表記していたことで、私の違和感も消えていきました。時代が流れても、歴史は忘れてはいけないものです。

米国テネシー州の「ベル・ミード歴史記念館・ワイナリー」の展示は奴隷の歴史を丁寧に表記しています。施設内には、ワイナリーやアイス屋もあります。