- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県庄原市
- 広報紙名 : 広報しょうばら 2025年8月号(No.245)
このコーナーは、営農指導員から、農業のちょっとしたコツを、お知らせします。
■野菜作りのワンポイントアドバイス
営農指導員 若山 譲(わかやま ゆずる)
◆野菜の高温障害
高温障害とは、気温が一定の温度を超えることで、農作物が正常に成長できなくなる状態を指します。
特に、梅雨明けしてから10日程度経過したころに、35℃以上の気温が続くと、作物の光合成能力が低下し、栄養供給が滞るなど、深刻な成長障害を引き起こします。
1 高温障害の症状
夏の日差しが強い時期に(1)葉の表面が褐色になっている(2)果実の表面が茶色く、硬くなっている(3)株がしおれている―などの症状が現れたときは、高温障害を疑いましょう。
野菜の高温障害によって引き起こされる症状には、次のようなものがあります。
▽果菜類(トマト、ナス、キュウリなど)
・着果不良や花が落ちやすくなる
・果実の奇形や退色、軟化
・糖度低下、不足、味が落ちる
▽葉菜類(キャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウなど)
・生育不良やしおれ、葉焼け
・結球異常(キャベツなどが球状にならないこと)や小球化、内部の腐敗
・茎内部の空洞化
▽根菜類(サトイモ、ダイコンなど)
・生育・肥大不良、品質低下
・根の発育不良、形状の不揃(ぞろ)い
2 高温障害予防のための対策
どの作物においても、土作りと栽培管理をしっかり行い、作物を良好な状態に維持するように努めることが基本です。
・高温耐性を持つ品種の選択
・遮光資材などの利用
・土壌の乾燥・湿潤対策(地温上昇抑制資材の利用、水やりで土壌水分量を調整)
高温耐性をつけるための対策(肥料、堆肥などによる地力向上)
これらの対策を、地域の気象条件や作物の特性に合わせて適切に実施することで、高温障害による影響を最小限に抑えることができます。常に環境の変化に注意を払い、柔軟に対応することが重要です。
■花作りのワンポイントアドバイス
営農指導員 永奥 啓(ながおく はじめ)
◆秋に植え付ける花の準備
1 秋植えの花
秋から初冬にかけて植える花の種類は限られますが、有利に販売ができる花も多くあります。
今の時期に畑の選択や花の種類をしっかりと検討して、方針が決まったら早めに種苗や資材の手配をしておきましょう。
(1)秋に種まきする花
シンテッポウユリ、ハナナ、ハナムギ、キンセンカ、ニゲラなど
(2)球根類の植え付け
ユリ類、アイリス、アリウム、スイセン、チューリップ、フリージアなど
(3)宿根草(しゅっこんそう)の植え付け
リンドウ、キキョウ(春に種まきした苗)、シャクヤク、ミヤコワスレなど
これらの花には露地(ろじ)栽培(ハウスなどの施設を使わないで栽培すること)が可能なものもありますが、ハウス栽培向きのものが多くあります。栽培品目の選択の幅を広げることができるハウス栽培も考えてみましょう。
※施設導入には市の補助金が活用できる場合があります。詳しくは問い合わせください。
2 畑の準備
今から早めに畑の準備をしておきましょう。
(1)畑の選択
ほとんどの花は、日当たり・排水が良い、肥沃(ひよく)な土壌を好みます。
(2)土づくり
堆肥をしっかり入れて深く耕しておきます。その時に苦土(くど)石灰も散布しておきましょう。
(3)畝つくり
排水性を良くするため、できるだけ高畝(たかうね)※にしましょう。
※高畝…地面よりも20~30センチメートル以上盛り上げて作る畝のこと。
問合せ:農業振興課農業振興係
【電話】0824-73-1131