くらし 議会だよりNo.96(2)

▽米津高明(よねつたかあき)議員
Q.阿武町の上下水道について
A.長寿命化計画含めて点検調査を予定 有機フッ素化合物の検出なし
問:
埼玉県八潮市で起こった下水道の陥没事故を踏まえて、阿武町の下水道管の状況を伺いたい。
事故が発生すると、八潮市のようになり、町民の方に大きな負担を強いることになるのでは。点検整備を早急に行うべきではないか。
町長:
阿武町の集落排水事業は、大規模な下水道事業と比べると、小規模であり八潮市の様な排水管の破損が起きても車が落ちるほどの陥没は生じない。
兆候があればすぐ対処でき、改めての点検については必要ないものと考える。
阿武町の集落排水事業の排水管の耐用年数が50年程度と言われており、古いものは40年程度のものもあり、長寿命化計画を含めて、点検調査を予定している。

問:日本や世界で飲料水などに「有機フッ素化合物(PFAS)」が含まれていることが大きな問題になっているが、阿武町の水道水や井戸水は大丈夫なのか。
町長:
PFASについては現時点で水道法による水質基準項目に入っていない。
しかし本町では、今年1月に町内13カ所の水源の検査を実施。
結果は13カ所すべてでPFASは検出されていない。井戸水については個人での対応でお願いしたい。

Q.図書室の休日開館について
A.休日も含め有効に活用できるよう検討する
問:
図書室は「町民センター・のうそんセンター・ふれあいセンター」の3カ所に設置され、3カ所とも土・日・祭日は閉館している。
町民の方などから休日も開館してほしいと要望があり、休日の開館を行うべきでは。
教育長:
3カ所の図書コーナーの改修後「図書ルーム」と改称しており、教育委員会にも、土日の開館を要望する声が届いている。
有志の方が「絵本を楽しむ会」を休日に実施したい旨の要望があり、図書ルームを使用して6回実施した。
小学生が勉強に来ているため、休日も含め町民の方が有効に活用できるよう、引き続き検討する。

Q.国保基金について
A.国保税の激変緩和の際に活用する
問:
予算案では「阿武町国保診療所」の建設工事に国保基金を繰り入れているように見えるが、国保加入者は「自分たちが納めた国保税が、基金への積み立てを通じて診療所の整備に使われることに疑問が生じるのではないか。
複合施設は大規模な事業であり当然一般財源も充てられる。
そうすると国保加入者は町税に加えて、基金の原資である国保税も施設整備のために負担することになり不公平ではないか。
この解消に基金を使って国保税の減額を行うべきではないか。
町長:
診療所建設費用として2億3千130万円計上。
うち2億円は過疎債で、残り3千130万円は国保の基金を充てる。
この財政調整基金の中身は、国保税のみではなく、国や県からの保険基盤安定負担金や、県からの交付金、町の一般会計からの繰入金も入っていることから、国保加入者が二重の税負担であるというのは当たらない。
基金は、国保税が県統一になり現在より高額になった時に、激変緩和で使うべきものとしている。

▽白松靖之(しらまつやすゆき)議員
Q.1/4ワークス援農プロジェクト事業の今後の展望について
A.活動の実態や利用している農家援農者の声を取材し広報あぶや萩テレビで紹介していきたい
問:
第一次産業の人手不足問題の解消や、関係人口の創出等を目的とした新たな援農の仕組み「1/4ワークス援農プロジェクト事業」は、平成30年より試験的に開始され、今年で7年目を迎えた。
受け入れ農家側の現状は、私も含めた4戸の個人農家、(農)福の里、ドリームファーム阿武、福賀すいか部会が利用している。まだまだ、受け入れ農家が少ないように思う。
この事業について、より多くの町民の方に知って頂くために「広報あぶ」や町のホームページへの募集記事の掲載や、萩テレビや防災無線での呼びかけ、JAの町内各生産部会でのプレゼンテーション等が考えられるのでは。
町長:
立ち上げ当初は、求人知識もスキルも持たない町職員が試行錯誤で行っていたこともあり、参加者は2~3人だったが、その後、農家と援農者のマッチング事業を展開している「アグリナジカン」等の協力を得て、年々援農者も拡大し、直近の令和6年度では、15人の参加があり、利用農家さんから好評だと聞いている。
しかし、効果や成果が分からないなど、PR不足も確かにある。
新年度においては、活動の実態や、利用している農家さんの声や援農者の声等を取材し、「広報あぶ」や、萩テレビ等で紹介したい。

問:今後、農業以外の漁業や林業、第二次・三次産業にも従事してもらえるよう制度を充実して行くべきでは。
町長:
例えば、水産業では、奈古・宇田郷地区の定置網での活用や、道の駅の販売員、ABUキャンプフィールドの受付や、テント張り等への活用が考えられる。
短期的な労働力の需要も、掘り起こせば相当ある。今後、事業者と協議したい。

問:この事業を利用されているのは、福賀地区の方々だけだが、今後奈古・宇田郷地区への事業の展開は。
町長:現在奈古・宇田郷地区には、福賀地区のように、野菜や果物を大規模に栽培する農業経営体はなく、水稲が主である。経験がなくても出来る農作業が少ないため、なかなか一見の援農者では難しいと考える。

問:
現状として「福賀シェアハウス」の農閑期(閑散期)の利用がない。
今後、町と地元との間で、利用促進に向けた協議がされると思うが、ゲストハウス・民泊としての利用や、行政区域をまたいで近隣地区との連携協力は考えられないのか。
町長:新年度事業において、東北地方で、シェアオフィスやゲストハウス等を立ち上げ、情報発信や関係人口の拡大に取り組んでいる「スローハウス気仙沼」の活用を検討している。また、現時点では自治体を超えた利用について考えていない。