- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県八幡浜市
- 広報紙名 : 広報やわたはま 2025年9月号
■認知症は身近なもの
「認知症」と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
高齢化の進展とともに、認知症と診断される人は増加しており、2040年中には65歳以上の約15%(約7人に1人)が認知症になると推定されました(※(1))。また、2017年〜2019年度に実施した若年性認知症の調査(※(2))では、若年性認知症の有病率は18歳〜64歳人口10万人当たり約51人、若年性認知症者の総数は約4万人と推計されています。
今月の特集では、誰もが関わる可能性のある認知症について、理解を深める活動をしている方々、そして認知症当事者とそのご家族にインタビューを行い、その声をお届けします。
※(1)参考/令和7年度版高齢社会白書
※(2)国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業によって実施した調査
◆ミニボランティア わたがしの会
池井愛さん、前川恵美子さん、池井恭久さん
「ミニボランティア わたがしの会」メンバー。3人は認知症ケア専門士の資格を持っており、専門的な立場でのアドバイスや訪問相談など実践的な活動を行っています。
▽認知症の種類と特徴(主な症状)
認知症の種類は、原因によって大きく3つに分けられます。
1.脳にゴミのたまる認知症
(1)アルツハイマー型(もの忘れ)
(2)レビー小体型(幻視・幻聴)
(3)前頭側頭葉型(性格変化)
2.脳血管障害の認知症
性格変化、意欲低下、言葉の意味が分からない
3.間接的に脳が障害を受ける認知症
(1)甲状腺機能障害、糖尿病
(2)正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫
(3)薬の影響
参考:認知症サポーターチームオレンジ ステップアップ研修
~「つなぎ」のための情報整理~認知症の理解
◆一緒に考えてみませんか? 認知症のこと
ちょっと話したいな、聞いてもらいたいな。
少しずつ話してみることから始めてみましょう。
前川さん:平成28年7月から認知症ケア専門士3名で「ミニボランティアわたがしの会」を立ち上げ、令和7年現在、11名の仲間と活動しています。「わたがし」には、ふわふわとして、甘く、口の中で溶けていく、ほっとでき、幸せな気持ちになる、そんなイメージがありますよね。ご本人だけでなく、そのご家族にも寄り添い、共に悩み、支え合う仲間づくりを目指していきたいと考えています。
池井恭久さん:認知症とは実は病名ではなく、状態と言えます。また、一般的には突然ではなく、徐々に症状が表れてきます。年を取ると筋力が低下したり、骨がもろくなるのと同じように脳も機能が低下します。認知症に「ならない」のではなく、「なる」のを遅らせたり、少しでも進行を緩やかにするという考え方が重要になります。
池井愛さん:職業柄、知人に「これって認知症?」とよく聞かれます。安易な判断はできませんが、専門的な知識と、その方のこれまでの生活や思いなどを理解していると気づきに繋がるのではないでしょうか。自分のことを理解してくれているという安心感があれば、認知症になることへの不安が少し和らぐのではないかと思います。
池井恭久さん:最近は認知症に関心を持ち始めた人が増えたように感じます。今は困っていなくても、いざ困った時に相談できる身近な人の存在が大切です。まずは大切な人と認知症について話をしてみませんか。
前川さん:その方をとりまく医療・介護の専門職だけではなく、住み慣れた地域での見守り活動や仲間づくりなど認知症の方に寄り添う・優しいまちになるといいなと思います。引き続き、わたがしの会でも学びの場や交流の機会を増やし、認知症に関する情報の発信や活動を続けていきます。
メッセージカードを、八幡浜市社会福祉協議会(保健センター2階)窓口に置いています。
▽お気軽にご相談ください