くらし 私なりに見つめる玉名

地域おこし協力隊 種子島奈里

■太陽スポーツクラブ熊本玉名 10年ぶりに掴んだ九州大会への切符
●熊本県大会を振り返って
4月に開幕したKFA第40回熊本県クラブユースサッカー選手権(U‐15)大会」。
暑さ対策もあり例年より早い時期での開幕となりましたが選手たちは新チームとしてスタートしたばかりとは思えない集中力とエネルギーで、一戦一戦を戦い抜きました。
この結果、10年ぶり3度目となる九州大会への切符を獲得。選手たちの粘り強さと、チーム一丸となって積み上げてきた努力が実を結びました。
今回は、その道のりを振り返りながら、彼らがどのようにして快挙を成し遂げたのかを取材しました。

●苦しみながらも掴んだ初戦の勝利
初戦の相手は、これまで何度も顔を合わせてきたアドリア(水俣)です。過去に勝利していることからどこかに気の緩みがあったのか、試合は3-1で勝利したものの、苦しい内容となりました。
「勝ててホッとしたのが正直なところ。しかし、トーナメントを勝ち上がるには、技術だけでなくメンタルの強さや戦う姿勢が大切」と、指導陣からは少し厳しい言葉がかけられました。

●大勝でベスト8、目標まであと1つ
続くFC OHZU戦は、前半にセットプレーから先制点を挙げ、後半にはフレッシュな選手の活躍もあり、6-0の快勝。守備に苦戦した序盤をしっかりと修正し、全員で掴み取った勝利でした。
いよいよ九州大会出場まであと1勝。緊張と期待が高まる中、次の荒尾FC戦に挑みます。

●ついに掴んだ!10年ぶりの出場権
ベスト4をかけた戦いは先制し、追加点を挙げる理想的な展開。しかし、後半は相手の反撃に苦しみ、終盤は一進一退の攻防となりました。それでも、選手たちは最後まで集中力を切らさず、2-1で勝利。この勝利により10年ぶりとなる九州大会出場が決定しました!選手たちの強い気持ちとこれまでの積み重ねがついに形になった瞬間でした。

●悔しさを次の糧に
迎えた準決勝。相手は強豪ブレイズ熊本(嘉島)。前半に先制するも、後半終盤に立て続けに失点し、1-3で惜しくも敗退。県大会は3位という結果で幕を閉じました。
「負けて嬉しい選手も指導者もいない。でも、この負けから何かを掴めるなら意味がある。いかにして九州大会で“勝てるチーム”になっていくか」が、ここからのテーマ。敗戦の悔しさを胸に、チームは更なる成長を誓いました。

■太陽スポーツクラブ熊本玉名 10年ぶり九州大会出場
●九州大会に向けて、さらなる成長を!
県大会後も練習試合やリーグ戦を重ねながら、九州大会に向けて準備を進める選手たち。1点の重みを感じ、フィニッシュの精度を上げる。そして一番大切にしているのは「当たり前のことを当たり前にやる」ということです。日頃の行いがチームとしての成長につながっています。
「試合で勝つためには、練習から全力で。運を引き寄せるためにも、あいさつや準備など、日常から意識を高くしていこう!」この言葉が、チームの姿勢を物語っています。

県大会は、チームの成長とともに、「挑戦の一歩」となる貴重な経験でした。
10年ぶりの九州大会出場という大きな成果を胸に、次の舞台では、さらなる高みを目指して挑戦が続きます。
子どもたちのひたむきな姿勢と、支える家族、目標に達成に向け的確なアドバイスを送る指導陣。一丸となって戦う姿がありました。

◇キーパーだから見える景色がある
キャプテン 玉名中3年 佐藤雄大さん
幼稚園の頃に始めたサッカー。小さい頃から同じ仲間たちと続けてきました。足が速く、前半からペースをつかめば強いチームです。キーパーは攻撃に参加できない分、全体を見渡し、味方が楽にプレーできるようサポートしています。小学生のとき監督に「この代は九州大会に行ける」と言われ、県大会初戦の勝利で本気になりました。九州大会での目標は2回戦突破。勝つためには「勝ちたい」という気持ちと練習の集中力が大切です。

監督 岡﨑祐造さん
中学生の彼らには、できる限りの自由を与えつつ、嘘やいじめ、ルール違反は厳しく禁止。怒る時ははっきりと叱り、褒める時はしっかり褒めることで信頼関係を築いてきました。
以前はおとなしいチームでしたが、選手同士で盛り上げ合う雰囲気が作れるようになりました。
自分のために頑張ることが結果的にチームのためになります。挑戦した先に失敗や後悔があってもチャレンジし続けてほしいです。勝利の先にある景色を味わい、選手たちの闘争心がさらに燃え上がることを期待しています。