- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県宮崎市
- 広報紙名 : 市広報みやざき No.983 令和7年9月号
ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声を掛けてあげられる人のことで、誰でもなることができます。声を掛け合うことで、不安や悩みを少しでも和らげることができるかもしれません。
◆市の状況を見てみよう!
悩みを打ち明けられないまま、命を絶つ選択をする人もいます。本市での自殺死亡率の状況は右のグラフのとおりです。平成19年以降はおおむね減少傾向でしたが、近年増加に転じ、全国の数値を上回ってからは、高止まりしています。令和5年には全国ワースト2位になり、高い状況が続いています。
▽全国・宮崎県・宮崎市の自殺死亡率の推移
厚生労働省「人口動態統計」より
※グラフは10万人あたりの自殺死亡率
詳しくは本紙をご覧ください。
◆こんなサインを出している人が周りにいませんか?
○こころの不調を抱える人の周囲が気づけるサイン
・元気がない、普段と様子が違う
・落ち込み、不安
・頭痛、腹痛、食欲不振などの体調不良の訴えが多い
・ものごとに集中できない、ぼんやりしていることが多い
・イライラ、けんか、不機嫌、トラブルが増える
・ミスや物忘れが多い
・他人の視線を気にするようになる
・よく眠れていない
・服装の乱れが目につく
○子どもたちへの気づきのポイント
・友だちや先生を避ける
・学校などを休みがちになる
・いじめや虐待の被害
○産後の女性への気づきのポイント
・自分の子どもがかわいいと思えない
・子どもに無関心または過度に心配する
・子どもの世話ができない、母親として不適切だと感じる
○職場での気づきのポイント
・仕事上の問題…ミス、能力の低下
・勤務態度の問題…急な休み、頻度の多い休み、遅刻、居眠りなど
・対人関係の問題…孤立、口数の減少、いらだちなど
・原因不明の体調不良…頭痛、腰痛、不眠、下痢、便秘、食欲増減など
・その他…飲酒、服装・体型の変化、表情の変化など
◆あなたもゲートキーパーになろう
ゲートキーパーは「命の門番」という意味です。
人は誰でも落ち込むことがあります。もし、身近な人や大切な人が落ち込んでいたら、何かできることはないかと考えるかもしれません。そんなときは、まずやさしく声を掛けてみることから始めてみませんか。
勇気を出して声を掛ける。その行動が第一歩になります。
◆ゲートキーパーの4つの役割
ゲートキーパーは「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」という4つの役割が期待されています。そのうちのどれかひとつができるだけでも、悩んでいる人にとっては大きな支えになります。
・気づく…家族や仲間の変化に気づいて声を掛ける
・傾聴…本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
・つなぐ…早めに専門家に相談するように促す
・見守る…温かく寄り添いながらじっくりと見守る
▽ちょっとコツが必要!「傾聴」のポイント
「傾聴」は、ただ話を聴くことですが、相手の話を否定したり、良し悪しを決めつけたりしないなど、ポイントがあります。「話を聴くだけでは何もならない」と感じるかもしれませんが、悩んでいる人にとっては大切な支援です。
(1)オープン・クエスチョン
「はい」「いいえ」で答えるような質問ではなく、相手が自由に話をできるように声を掛ける。
(2)肯定する
相手の気持ちや考えを認める。正しいかどうか、良いか悪いかの判断や批判をしない。
(3)共感的反映
相手の立場だったらどういう気持ちになるかを想像して、その気持ちを言葉に表現して相手に伝える。
(4)真剣に聴いているという姿勢を相手に伝える
相手にしっかり向き合い、話にあいづちを打つ。聞き手がうなずくと、相手の発言量は増える。
(5)きっかけになったできごとの確認
具体的に問題を抱えていることがあれば、どのようなことに苦労しているのかという点にも目を向けて話を聴く。
◆「市民向けゲートキーパー養成講座」開催
ゲートキーパーの4つの役割を学びます。
日時:10月31日(金)
(1)9時から午後0時(受付8時45分から)
(2)午後1時30分から午後4時30分まで(受付午後1時15分から)
場所:市保健所 研修室B
定員:各20人
料金:無料
講師:産業カウンセラー
受講者から下記のような声がありました。
・講座で学んだことで、自分の心のサインにも気づけると感じました。
・「傾聴」のロールプレイで良い例・悪い例を見たことで、より理解が深まりました。
問い合わせ先:健康支援課 こころの健康係
【電話】29-5286
●[SDGs3]すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人びとの健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
問い合わせ先:健康支援課
【電話】29-5286【FAX】29-5208