- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県えびの市
- 広報紙名 : 広報えびの 令和7年6月号
■尿のもとは血液って知っていますか?
心臓から送り出された血液は、全身を巡りながら酸素や栄養素を運び、代わりに炭酸ガスや老廃物を受け取って、さまざまな臓器で処理をされ、再び心臓に戻ってきます。その過程で、腎臓(そら豆のような形をした重さ120から150gくらいの臓器)の糸球体(血液をろ過するフィルター)と呼ばれる部分で血液をろ過し、体に不要なものを尿として排出しています。
尿中のほとんどの成分は血液に由来しているため、尿の変化は体の状態を反映しているともいえます。
尿の成分を調べる尿定性検査では、比重やpH(ペーハー)、たんぱく、糖、潜血(赤血球・ヘモグロビン)、ビリルビン、ウロビリノゲン、ケトン体、亜硝酸塩、白血球の有無などを同時に試験紙で判定することができます。
尿を遠心分離して得られた沈殿物を顕微鏡で調べる尿沈渣の検査では、赤血球や白血球、細菌や結晶、そのほか泌尿器系の細胞などが見られます。
尿は痛みを伴わずに採取でき、腎臓や泌尿器系の疾患の診断や治療効果の判定に非常に役立つ検査です。気になることがある人は、検診や診療所、病院などで検査をしてみてはいかがでしょうか。
文:市立病院検査室